今回は、「ほったらかし」の投資が成功しやすい理由を見ていきます。※本連載は、セゾン投信株式会社社長の中野晴啓氏の著書、『はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法』(アスコム)から一部を抜粋し、投資信託を活用した、初心者向けの資産形成術を紹介します。

投機とは異なり、常に値動きをチェックする必要はない

投資に対して消極的な人からよく聞くのが、

 

「私は臆病だから、投資には向いていない」

 

「私は面倒くさがりでマメじゃないから、投資には向いていない」

 

といった言葉です。

 

しかし、「私は投資に向いていない」と思っている人は、実はとても投資で成功しやすいといえます。

 

すでにお話ししたように、投資と投機はまったく異なります。

 

常に株価や為替の動きをチェックし、買いどきや売りどきを瞬時に判断しなければならない株のデイトレードやFXなどと違い、この本で私がおすすめする方法なら、一度買う商品を決め、手続きをしたら、基本的にはほったらかしていただいて大丈夫です。

 

もちろん、気が向いたとき、時間のあるときに、資産状況の確認や、買い増しをするかどうかの検討をした方がよいかもしれませんが、常に値動きをチェックしたり、とっさに大きな判断を下したりする必要はまったくありません。

 

逆に大胆な人は、注意が必要です。

 

「自分は臆病だ」と思っている人は、投機や、ハイリスク・ハイリターンな商品には手を出しません。

 

ところが大胆な人の場合、そうしたものに興味をひかれやすく、短期間に大きな利益を得ることもあるものの、大きな損をしてしまうこともあるのです。

「放置」の状態にあった投資がもっとも成功していた

また、マメな人が投資をするときにも、意外と注意が必要です。

 

マメな人は、どうしても自分が買った商品の値動きや市場の動向が気になってしまい、頻繁にチェックしがちです。

 

そして、ちょっと価格が上下しただけで一喜一憂(いっきいちゆう)し、投資に疲れてしまったり、「なかなか利益が上がらない」「ほかにもっと利回りのいい商品があるかもしれない」と、せっかく買った商品をすぐに手放してしまったりすることがあるからです。

 

しかし投資というのは、本来、何十年という長いスパンで取り組むべきものです。アメリカの老舗(しにせ)の投資信託委託会社のデータによると、投資でもっとも成功していたのは、

 

●投資信託を買った人が、買ったことを忘れてそのまま放置している

●投資信託を買った人が亡くなってしまい、そのまま放置されている

 

の2つのケースだったそうです。

 

もちろん、長期運用にふさわしい投資信託を買ったかどうかにもよりますが、基本的には、手をつけずに長い期間ほったらかしておけばほったらかしておくほど、投資は成功しやすいといえるのです。

本連載は、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。また、投資にはリスクがあります。積立による購入は将来の収益を保証したり、基準価額下落時における損失を防止するものではありません。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、アスコム、幻冬舎グループは、本連載の情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法

はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法

中野 晴啓

アスコム

はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法。それは… 毎月、コツコツと「ある条件」を満たした投資信託を購入すること。 たったこれだけです。 お金の知識がなくても、資金の余裕がなくても、それだけで、お金の…

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