企業の強力な武器となる、自社の理念に「共鳴」する人材

前回は、企業が人材を採用するに当たってのミスマッチを防ぐ、「理念採用」とは何かを説明しました。今回は、企業の採用において、自社の理念に「共鳴」する人材の重要性を見ていきます。

「ブランド」と「顧客」の理想的な関係を分析すると・・・

ブランド論の側面から見ても、共感を得ることはとても重要なことです。その共感という考え方を一歩進めて、「ブランドに共鳴する」という段階こそ頂点であるという考え方があります。

 

現在のブランドの理論を構築したデービッド・アーカー氏と並ぶブランド論の大家、ケビン・レーン・ケラー氏は「ブランド・エクイティ・ピラミッド」という概念を提唱し、ブランドが顧客にとってどのような状態になれば理想的か、ということを示しています(図表参照)。

 

ピラミッドの頂点が「レゾナンス=共鳴」です。顧客がそのブランドの考え方に「共鳴」している状態こそ、理想的な状態であると位置づけています。

 

[図表]ブランド・エクイティ・ピラミッド

出典:『ケラーの戦略的ブランディング』(東急エージェンシー出版部)P.82
出典:『ケラーの戦略的ブランディング』(東急エージェンシー出版部)P.82

採用市場では「共鳴」を目指すブランディング戦略を

これを採用市場に応用すれば、ブランド=企業の考え方に共鳴してもらう状態が理想ということになります。企業の考え方とは、さまざまな捉え方がありますが、その根底にあるのは理念や価値観です。そしてある意味では、「共鳴」は共感よりも強い概念かもしれません。共鳴は、共感したうえですでに行動を起こしている揺るぎない状態と捉えることができるのではないでしょうか。

 

理念に共鳴しているということは、すでに一緒に理念を叶えるために走り出している状態です。内定承諾の段階でそこまで行くことは難しいですが、共感まで到達し、入社した後のどこかの段階で「共鳴」へと変わることで、その人が活躍人材へと成長するきっかけになるはずです。

 

自社の理念に共鳴する人材は、企業にとって強力な武器であり、なかなかいない稀有な存在のはずです。社内で探すのも難しいかもしれません。ぜひ共感の先にある「共鳴」を目指して、採用ブランディングを進めていくことを念頭に置いてください。

ブランディング・ディレクター
クリエイティブ・ディレクター

早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループに入社。広告代理店にてCMプランナー/コピーライターとして活躍した後、株式会社パラドックスへ入社。株式会社リクルート(現・株式会社リクルートホールディングス)と協業し、企業のブランド構築および採用活動への知見を深める。2015年、ブランディングを企業経営のインフラにしたいとの思いから、むすび株式会社を設立。「採用ブランディング」という新たな手法を提唱し、母集団の質改善、内定辞退率の低下など、数多くの企業の採用成績向上に貢献している。採用領域を含めたブランディングに関するメディア『BRAND THINKING』を運営。早稲田大学ビジネススクール修了、経営管理修士(MBA)。FCC賞(福岡コピーライターズクラブ賞)、日本B to B広告賞 金賞/銀賞/銅賞、山梨広告賞 協会賞/優秀賞/
優良賞を受賞。

著者紹介

連載大手企業に打ち勝つ!中小・無名企業の「採用ブランディング」戦略

本連載は、2018年1月16日刊行の書籍『「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の法令改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング

「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング

深澤 了

幻冬舎メディアコンサルティング

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