賃貸収入を柱とする「J-REIT」、その仕組みとは?
J‐REIT(ジェイリート)とは、日本版不動産投資信託のことです。日本では2000年5月の投資信託法の改正により誕生しました。
J‐REITは、1960年代に登場した米国REITをモデルにしています。米国では、多くの個人投資家に定着しています。
J‐REITは投資信託と同じく、小口(小額)の資金を投資家から集め、そのお金で株や債券などの有価証券ではなく、不動産のみを購入、売却する投資信託です。
集めた資金で物件を買い、賃貸収入と物件売却代金を投資家に分配金という形で支払うのです。
J‐REITは不動産売買ではなく、賃貸収入を柱とした投資のため、不動産大家と非常に似ている性質を持っています。
一般的な不動産投資には「数千万円単位」の資金が必要
一般的な不動産投資には、数千万円単位の資金が必要であり、個人投資家にとってはかなりハードルが高いといえます。さらに、次のような多くのリスクがあり、不動産投資に踏み切るには、かなりの覚悟が必要です。
●物件の当たり外れ
●多額の借入金と長期的な返済
●空室リスク
●家賃の滞納など住人とのトラブル
●地震、火災などの天災リスク
また、有益な不動産を選ぶためには、膨大な時間と専門知識を必要とします。
ニュージーランドの不動産投資家であるドルフ・デ・ルース氏の言葉に「100:10:3:1の法則」があります。「100件の物件を見学し、そのうち10件に買い付け申込書を出し、3件に融資の手配をして、ようやく1件買える」という意味です。
要するに「数ある物件の中で、本当に収益になる物件はそれだけ少ない」ことを表しています。
ドルフ氏の言葉をそのままとると、収益になる物件は見学したうちの1割しかなく、購入までいくのはそのうちのさらに1割です。