「東証1部上場」への指定替えを狙う企業
株主優待制度を新設・拡充させる最も多い理由は、個人投資家を増やし、東証1部上場に指定替えをするためです。東証1部企業になると、会社の知名度やブランド力が一気に上がるからです。
また、資金力のある機関投資家からの買いが入るため、時価総額も上がります。
ここで取り上げた2社は、どちらももともと東証1部上場銘柄でしたが、株主優待を拡充させることによって、次のような考えがあったと思われます。
●長期で保有してくれる株主を増やしたい
●投資魅力度を増加させたい
●株主を常連客にしたい
すかいらーくとフジ・コーポレーションは、株価上昇につながる思い切った拡充策を発表し、投資家の期待に応えたといえるでしょう。
長期株主を優遇・・・長期保有制度を導入している企業も
◆明光ネットワークジャパン(4668)の株主優待制度拡充策
3年や5年など、継続して保有を続けることで、株主優待の内容がパワーアップする長期保有制度を導入している企業もあります。
小中高向け個別指導の補習塾「明光義塾」を展開している明光ネットワークジャパンは、100株以上の株主を対象に、株主優待品としてQUOカード1000円分を贈呈しています。加えて、同社の株を3年以上継続保有している人には、さらに2000円増額され、3000円分のQUOカードが贈呈されるなど、長期株主を大切にしている姿勢が見られます。
機関投資家は売買が頻繁であったり、保有株数が多かったりするため、株主優待よりも配当金を重視しています。そのため、株主優待に関するニュースは軽視しがちです。
しかし、個人投資家視点では、株主優待の拡充というニュースはメリットだらけの要注目情報であることがわかります。