今回は、企業の「決算月変更」について見ていきます。※本連載では、株式会社リーブル代表取締役・坂本彰氏の著書、『60歳から10万円で始める高配当株投資術』(あさ出版)より一部を抜粋し、高配当株狙いの投資における、有望銘柄の見極め方を紹介していきます。

3月・12月に分散され、一極集中による株高の緩和も

日本の上場企業の7割が、3月決算です。

 

高配当株や株主優待が人気の会社は、配当金および株主優待が獲得できる3月に資金が集中します。そのため、割安度が下がるというデメリットも持ち合わせています。

 

ところがここ数年、大手の国際企業を中心に、決算月を3月から12月へと変更する動きが起こっています。

 

中国では12月決算が法令で定められており、欧米でも12月決算が主流となっているため、グローバル経営を考えると、決算月を変更したほうが業務効率化などの点で都合がいいのです。

 

配当金や株主優待を目的とした投資をする場合、3月に購入したい会社が多いのに、肝心の投資資金が足りなかったり、割安度が低くて投資しにくかったりするなどのマイナス要素がありましたが、決算月が3月と12月に分散されていくことで、3月一極集中による株高が緩和され、より効率的に分散投資できるようになるでしょう。

「決算月変更」は経営の透明性を見るチャンス

日本でも、花王(4462)が2017年5月に、今後は決算月を3月から12月へと変更する旨を発表しました(花王は28年連続で増配している素晴らしい会社です)。

 

変更の理由の一つとして、「海外連結子会社と決算期を統一させることで、経営の透明性を図る」と挙げています。

 

最近、巷を賑わせている神戸製鋼(5406)のデータ改ざん問題や日産自動車(7201)の無資格検査員による新車出荷問題などといった、企業の不祥事が起こりにくくなることも考えられます。こうしたことからも決算月変更はよいニュースと考えていいでしょう。

本連載は、2017年12月13日刊行の書籍『60歳から10万円で始める高配当株投資術』(あさ出版)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

60歳から10万円で始める高配当株投資術

60歳から10万円で始める高配当株投資術

坂本 彰

あさ出版

60歳からでも確実に資産を増やす「29の極意」とは? 著者自身の経験やアドバイスしてきた方の声をもとに、「高配当株」を利用した株式投資法を一挙紹介。 「買ってはいけない株・買ってはいけない投資信託」の見つけ方などに…

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