3月・12月に分散され、一極集中による株高の緩和も
日本の上場企業の7割が、3月決算です。
高配当株や株主優待が人気の会社は、配当金および株主優待が獲得できる3月に資金が集中します。そのため、割安度が下がるというデメリットも持ち合わせています。
ところがここ数年、大手の国際企業を中心に、決算月を3月から12月へと変更する動きが起こっています。
中国では12月決算が法令で定められており、欧米でも12月決算が主流となっているため、グローバル経営を考えると、決算月を変更したほうが業務効率化などの点で都合がいいのです。
配当金や株主優待を目的とした投資をする場合、3月に購入したい会社が多いのに、肝心の投資資金が足りなかったり、割安度が低くて投資しにくかったりするなどのマイナス要素がありましたが、決算月が3月と12月に分散されていくことで、3月一極集中による株高が緩和され、より効率的に分散投資できるようになるでしょう。
「決算月変更」は経営の透明性を見るチャンス
日本でも、花王(4462)が2017年5月に、今後は決算月を3月から12月へと変更する旨を発表しました(花王は28年連続で増配している素晴らしい会社です)。
変更の理由の一つとして、「海外連結子会社と決算期を統一させることで、経営の透明性を図る」と挙げています。
最近、巷を賑わせている神戸製鋼(5406)のデータ改ざん問題や日産自動車(7201)の無資格検査員による新車出荷問題などといった、企業の不祥事が起こりにくくなることも考えられます。こうしたことからも決算月変更はよいニュースと考えていいでしょう。