どんなに景色が良くても、生活しにくい場所はNG
小学校やスーパー、コンビニの立地が土地の評価に影響を与えるということは、因果関係としてとても理解しやすいことです。その他の施設にしても、利用頻度やその重要性について考えれば、土地に対してどのような影響をおよぼすのかもイメージできるはずです。
では逆に、土地の評価があまり高くないところとはどういった立地になるのでしょうか。土地選びの注意点という観点から見ていきましょう。典型的な失敗例としてよくあるのは、「景色で住まいを選んでしまう」というものです。
例えば、夜に星空を眺めたいからという理由で、街の中心地からかなり離れたところに家を購入したとします。夜空を存分に眺めることができたり、虫の声を聞いたりなど、優雅な日々を過ごせることでしょう。ただ、生活はどうなるでしょうか。
住まい選びにおいて大切なのは、やはり生活です。どんなに景色が良くても、どんなに優雅な楽しみがあったとしても、生活しにくくなってしまえば本末転倒です。特に働き盛りのご主人がいる家庭であればなおさらでしょう。
通勤、通学、買い物など、基本的な生活がしづらい立地というのは、やはり土地の評価も低くなります。それだけ購入しやすいということもありますが、なぜ安いのかということも合わせて考えておくべきでしょう。不便なところは価格も低いのです。
最初のうちは景色を楽しむこともできるかもしれませんが、やがてその景色に慣れてしまうときがきます。そうなれば、生活に不便ということばかりがクローズアップされてしまうでしょう。住まいに対する自己評価が下がってしまうことになりかねません。
先を見越した「中長期的な視点」で土地選びを
また、地域によっては、天候に対する配慮も必要です。例えば山が近いところに家を購入した場合であれば、雪をはじめとする悪天候への備えも必要となるでしょう。雪かきに慣れていない人は、そのあたりの事情についてもあらかじめ確認しておくことが大切です。
特に雪が降ったときは、車で移動する方はチェーンが必要であったり、公共交通機関に乱れが生じたりと、いろいろなトラブルが発生する可能性があります。そのような問題についても総合的に判断して、土地選びの参考にしてください。
もちろん、一つの理想として暖炉が家の中にあったり、薪ストーブで暖を取るなどの楽しみを求めたりするのは悪いことではありません。大切なのは、自分たちがなにを求めているのかということと、それによって生活がどうなるのかをリアルに評価することです。
少なくとも、ライフラインが絶たれてしまう恐れがある場所というのは、それなりの覚悟が必要となります。災害が発生したときに、食事や水を購入することができないとなれば、日頃からの備えが欠かせなくなるでしょう。
だからこそ、商業施設との距離についてもあらかじめ考慮しておくことが大切です。3キロぐらいまでであれば、歩いて行くことも可能です。しかし、悪天候の中、10キロも離れた商業施設まで行くのはあまり現実的ではありません。
小学校についても、やはりある程度の近さを保てていなければ、いざというときに不安材料となります。マイホームというものは、数十年という長きにわたって保有するものです。短期的な視点だけでなく、ぜひ中長期的な視点で考えるようにしてください。