前回は、賢い大家になるための、銀行との上手な付き合い方を紹介しました。今回は、収益物件の「修繕」を活用した節税法を見ていきます。

こまめに修繕すれば、軽い負担で物件価値を維持できる

営業マンの節税トークには気をつけろと以前に書いた。また税金はきちんと払うのが大家さん道の王道だとも書いた。

 

では私自身が「節税」という発想をもっていないかというと、そうではない。ただここでも普通の大家さんとはちょっと違う考え方をしているのだ。

 

たとえば税を申告する際に経費として認められるものに「修繕費」がある。賃貸住宅であれば、建物の不具合や機器の故障などの原状回復にかかる費用のことである。これを活用するのが私の「節税」だ。ほかの人と私の「節税」が違うのは、払う税金を減らそうとするのではない点だ。

 

仮にある物件で年間100万円の利益がでたとしよう。何もしなければ所得税としてほぼ50万円の納税が必要だ。だが、20万円の修繕費を計上すれば所得税が40万円になるなら、私は積極的に修繕をして、そのマンションの価値を上げる方をとる。

 

実際には10万円の持ち出しになるわけだが、私は10万円で20万円分の修理ができたと思うことにしている。ここがポイントだ。

 

毎年10万円で建物の不具合や機器の故障を先に先にと修繕していけば、軽い負担で物件の価値の低下を防げる。

 

もしこの修繕を5年分一度にやろうとすれば、たいへんなことになる。私のように20棟以上のマンションをもっている大家さんにとっては、想像以上に重い負担がのしかかってくるし、それだけ放っておけばマンション・アパートの価値もどんどんさがっていく。

税務当局が「修繕費」を経費として認める理由

修繕費を活用した「節税」のいいところは、税務当局の思惑とこちらのメリットが一致している点だ。

 

なぜ税務当局が申告時に修繕費として20万円を経費として認めているかといえば、それによって大家さんが積極的に自分の物件の修復に努め、賃貸住宅に住む人たちが快適に暮らせる環境を生み出してくれると、国が期待しているからだ。

 

だから私がその仕組みを活用して、どんどん自分のマンションに手を入れていくのは、税務当局が期待してる方向と一致しているわけで、一定の枠を守っていれば、いくらやってもやりすぎということはない。

 

これと正反対なのが不動産を使った本業の本来の所得税の節税だ。

 

先にも書いたように世の中にはいろいろな人がいて、所得税を少しでも減らしたいと考えている人に向けて、あの手この手で節税法を指南している。

 

しかし、不動産を使った所得税の節税には限度があり、やりすぎれば税務当局から目を付けられる。所得税を巡って税務当局も神経質になっている。「節税」かあるいは「脱税か」。そういうぎりぎりのところで、税務当局とやりあっても意味はない。そう判断するのが賢い大家さんだ。

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    本連載は、2017年5月刊行の書籍『年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    町田 泰次

    幻冬舎メディアコンサルティング

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