今回は、会社の売却の際に、買い手候補に提示する「事業計画」の作成手順を見ていきます。※本連載では、島津会計税理士法人東京事務所長、事業承継コンサルティング株式会社代表取締役で、公認会計士/税理士として活躍する岸田康雄氏が、中小企業経営者のための「親族外」事業承継の進め方を説明します。

自ら事業計画を作成できない場合は、顧問税理士に相談

事業計画とは、予想される将来の損益計算書、貸借対照表およびキャッシュ・フロー計算書のことをいう。

 

この事業計画は、以下の要領に従って作成していく。事業計画を自ら作成できない場合は、顧問税理士に相談してみるとよい。顧問税理士であれば、過年度の実績値を熟知しているはずであるから、経営者が説明する事業戦略さえ理解することができれば、将来の事業計画についても正確に作成できるはずである。

事業計画の数値と事業戦略の説明に矛盾がないよう注意

事業計画に対して買い手候補から質問された場合、過去の実績値との整合性のある回答ができず、また、事業計画の数値と事業戦略の説明との間で矛盾が生じてはいけない。そのような回答を行った場合、買い手候補から計画の作成根拠が不十分であると思われ、事業計画の実現可能性に疑念を持たれてしまうからである。

 

 

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