不動産の売却にも「セカンドオピニオン」の活用を
前回の続きです。
いかがでしたでしょうか? 信頼している会社に頼んでも、ご自身が知識がないばかりに失敗するケースもあるのです。
“このような失敗はしたくない、不動産を一番高く、それも良い条件で売る方法はないのだろうか?”
読者の方は、ここが一番気になるところだと思います。結論から申し上げると、会社の規模にかかわらず、素晴らしい担当者と出会うことができれば目的を達成することができるでしょう(ちなみにですが、担当者が知識と経験とコミュニケーション能力を兼ね備えていることはプロとして当然とします)。複数の会社に声をかけて各社の対応を確認し、そのなかで良い出会いがあれば、結果として一番高く、より良い条件で売却できるでしょう。
気をつけていただきたいのは、1社だけにしか声がけをしないことです。医療でもセカンドオピニオンを行なう時代です。不動産という高額商品を扱うのに、1社だけの情報で、本当に大丈夫と言えるのでしょうか。これは大手とか地場とか金融機関系列の会社だから安心だとかは関係ありません。
「2つの調査」から、おおよその売却価格が見えてくる
次に、お客様自身でも相場観を調べることです。ネットが発達したおかげで、インターネットにさえつながっていれば、かなりの情報を事前に調べることができます。
すなわち、
●対象不動産の公示価格・基準地価・路線価等を確認する。
●近隣で売り出しされている物件価格を調査する。
この2点を行なうだけで、大方の売却価格が見えてきます。ここに調査に使える参考サイトを掲載しておきます。
[図表]不動産価格調査に役立つサイト
なお、一般の方々が確認できない情報として挙げられるのが、「レインズ」(東日本不動産流通機構)と呼ばれる、宅建業社のみが取り扱える不動産情報媒体です。
レインズからはインターネットには掲載されていない売り出し中の物件はもちろん、成約済みの物件まで時系列に確認できるため、不動産業界ではなくてはならない情報媒体となっています。不動産売買においては、売り出し価格よりも成約事例を用いて価格査定を行なうからです(売り出し中の物件は売主の個人的な思いが価格に反映されることもある一方、成約価格は相場で決まることが前提となるため)。
レインズの情報がわかれば早いのですが、残念ながら、まだネット上では一部しか確認ができないため、ここは不動産会社の力を借りねばならないところです。そして、この相場観さえつかんでおけば不動産会社からの情報提供に対してもある程度自信をもって対応いただけると思います。