前回は、高額取引される可能性がある骨董美術品について取り上げました。今回は、相続にともなう遺品整理において、これまでと異なる「質屋」の活用の可能性を見ていきます。

「質屋」×「人生相談」が生み出すメリットとは?

「何で、質屋で人生相談しなきゃいけないのか?」

 

確かにそうですね、私もそう思います。

 

ちなみに、質屋に対して、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

 

“質屋って、暗い、行きづらい、不愛想な親父がいる、コソコソとお金を借りるところ”

 

──こんなところでしょうか。

 

質屋は本来、品物を担保にして、その価値に見合った評価額を融資させていただき、生活のお手伝いをするモノの銀行です。確かに昔であれば、暗い裏口から暖簾(のれん)をくぐって入っていくイメージだったかもしれません。でも今は、立地からして目立つところにあり、明るい雰囲気で、ブランド品や宝石を中心に扱っている質屋さんも多いです。

 

しかしながら、いまだにネガティブなイメージが根強く残っているようです。

 

なぜ、そのようなイメージがついてしまったのでしょうか。そもそも、お金を借りるところだからでしょうか。世間に対して一度ついたマイナスイメージは、なかなか変えることができません。当社では、リサイクルショップのようにお買取や販売も兼ねながら、長年地域に根づいている質屋だからこそ、街の相談窓口として、顧客に対して生活をご支援させていただく新しいサービスで付加価値をつけていくことが、地域に「欠かせない存在」へと変化するきっかけになるのではと考えています。

 

地道に地域社会、コミュニティに対し我々ができる貢献活動をする、お客様のあらゆるニーズに応える新しいサービスを提供するなど、これまで以上に外を向いて行動していかなければ、業界的イメージの変革はできないと考えています。

 

そこで弊社として考える理想像ですが、それは“質屋として、企業として、もっと地域社会に貢献できる、社会的に意義ある会社でありたい”ということ。質屋であっても、お客様に寄り添ったサービスを創造していきたいと考えています。普段、お客様との会話でお悩みをいろいろと聴かせていただくなかで、さまざまなニーズが見えてきます。

物品の売買・融資を超えた、価値ある情報の提供も

話を戻しますと、“質屋で生前整理相談なんて、全然関係ないじゃないか!”と、思うかもしれませんが、実はあるんです。

 

雑談をしていくなかで、

 

──「終活(しゅうかつ)でモノを整理していてね、それで今日売りにきたわけ」

 

──「お父さんの遺品、どうしたらいいか困ってるのよ」

 

──「お母さんの形見をリフォームして、ジュエリーとして身につけていたい」

 

──「なかなか持ってる空き家が売れなくてね、売れたら品物出せるんだけどね」

 

──「相続の遺産の奪い合いで、家族で揉(も)めちゃって……」

 

などいろんなご相談がございます。

 

モノの売買や融資だけではなく、何かしらもっと提供できることがあるはずだと以前から感じていました。そして今は、モノへの価値評価はもちろん、コミュニケーションを通じて、お客様のライフサポートのご提案もしていくことが我々の使命だと考えます。

 

お客様のちょっとしたお悩みを聴かせていただくことで、それぞれの分野に精通した、信頼できる専門家をご紹介させていただく窓口の役割も担えればと思っています。“何かあったら、ここに相談すれば解決してくれる”──そんな新しいカタチの質屋として、会社として、ほんの少しでも街の皆様に喜んでもらえる存在になれればと思っています。

 

相続の場面でも、ご遺品の整理は必ずといっていいほどついてきます。しかしながら、どのように進めたらよいのかわからないという方が多いのが現状ではないでしょうか。片付けるということ自体にも、心身ともに相当な負担がかかります。

 

ご自身で対処されるのも一つの選択ではありますが、専門のプロに任せるという選択肢もあって良いかと思います。

円満相続をかなえる本

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