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商材群、コスト等が簡単にイメージできることが重要
いい会社を選ぶ基準、その1は、「ビジネスモデルのシンプルさ」です。
我々は、投資対象となる企業のビジネスモデルは、「シンプルであればあるほど望ましい」と考えています。あまりにもビジネスモデルが複雑だと、「その会社にとって何が一番の収益源なのか」、「何がリスク要因になるのか」などが見えづらくなってしまうからです。見逃したリスク要因が、実はその会社にとって致命的だったというケースも少なくありません。
その会社の代表的な商材群
そこからもたらされる売上
製造や販売にかかるコスト
最終的な収益のボリューム
このようなことが簡単にイメージできる会社であれば、投資対象先として検討すべきということです。
利益の増減が明確に可視化されている「アップル」
そういった意味で、「アップル」は非常に分かりやすい事例です。アップルが主に作っているのは、iPhoneやiPadなどのスマートフォンやタブレットです。
もちろん、音楽再生機のiPodや、パーソナルコンピューターのMacBookなどいくつか関連製品はありますが、売り上げの中心はあくまでiPhoneやiPadですので、ビジネスモデルは極めてシンプル。事実、利益の増減がわかりやすく可視化されています。
半面、日本の電機メーカーの場合、ビジネスモデルは極めて複雑になっています。例えば、上場企業には1,000社を超える関連会社を有する企業もあります。これだけ関連会社が多いと、それらがどのように関わり合い、収益にどのように貢献しているのかがとても分かりづらいのです。そのため、知らないうちに、関連会社で巨額の損失が発生し、親会社の収益を圧迫することもあるのです。
事業領域が増えれば増えるほど、なんとなくリスクが分散されているように見えるのですが、実際には収益性が落ち込んでいく傾向がみられ、実際に投資するうえで、大きなリスクになります。
ユニクロでおなじみ「ファーストリテイリング」も魅力
日本にも、ビジネスモデルがシンプルで、魅力的な企業があります。それが、ユニクロでおなじみのファーストリテイリングです。ファーストリテイリングは、事業領域=アパレル業界、所有ブランド=ユニクロ、GUと、極めて明快であり、投資対象として不確実性が低いと言えます。
同じ小売業でも、一部の企業は、アパレルだけでなく、食料品や家電、日用雑貨など多品種を扱っており、それらの関連会社に至っては、レストラン関連やコンビニエンスストア、金融サービスなど多岐に渡ります。
こういった企業に投資しようとした場合、適正価格(ある評価基準で算出した妥当値)を求めようとしても、精度がどうしても下がってしまいます。結果、いい会社に割安な株価を投資するには、複雑なビジネスモデルを持った会社は、スクリーニングの対象から外すことが賢明、という判断になってくるわけです。
次回は、「事業の安全性」について、お伝えしていきます。
※上記の企業名はあくまでもご参考であり特定の有価証券等の取引を勧誘しているものではございません。
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