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「参入障壁が高い」=他への代替が効かない
1.「高い参入障壁」の意味
いい会社を選ぶ基準その4は、「高い参入障壁に守られたビジネスである」というものです。
「参入障壁が高い」と聞くと、強固な規制によって新規参入者を排除するというようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、ここでいう参入障壁の高さとは、「提供している製品、サービスが唯一無二であり、他のものによる代替が効かない」ということを指しています。
要は「これがないと、世の中が困るだろう」と思えるサービスや商品を作り上げられること自体が、他社との差別化を促し、結果として「高い参入障壁」を作り出しているということなのです。
「この会社にしか頼めない状況」を作ったキーエンス
2.キーエンスという会社
キーエンスという会社をご存知でしょうか? 多くの方が、経済誌などで定期的に取り上げられる「平均年収の高い会社ランキング」で目にしたことがあるかと思います。
では、なぜこの会社の給料が高いのか。それは単純に、他の会社が実践できないことを実施している、つまり「参入障壁の高さ」を作り出しているからに他なりません。
同社はFA(ファクトリーオートメーション)用センサー等の各種センサー、測定器、画像処理機器、制御・計測機器、研究開発用解析機器などの電子応用機器の製造・販売を展開する企業ですが、同社のサービスが同業他社と異なるポイントは、製品販売において、顧客それぞれのニーズを把握・カスタマイズして販売していくという部分にあります。
こういったマーケットイン型のサービスを提供することによって、顧客にとって「キーエンスにしか頼めない」という状況を作り出しているのです。
このような高い参入障壁を持つ企業がいるマーケットに、他の企業が参入して結果を出すには、相当の工夫が必要です。
サービスの固有性で注目された「テルモ」
3.痛みを感じにくい注射針の「テルモ」
高い参入障壁を作り出している事例としてもう一つ挙げるべきが、テルモです。テルモは、東京都に本社を置く医療機器の製造・販売の最大手であり、プレフィルドシリンジ(薬剤充填済み注射器)などで大きな市場シェアを獲得しています。
テルモが一般の人にも注目されたのが「痛くない注射針」の開発です。人間が痛みを感じる「痛点」は1c㎡当たり100~200個、皮膚表面に高密度で分布していますが、テルモは、その痛点よりも小さな注射器である「ナノパスニードル」の開発に成功し、痛みを感じにくい注射針を作り出したのです。
注射は、病気によっては毎日のように打たなければならないこともあり、患者さんにとって、肉体的にも精神的にも大きな負担になります。テルモの注射器はまさにそんな患者さんにとって、なくてはならない存在であり、やはりそれが「参入障壁の高さ」を作り出しているのです。
高い参入障壁を作り出した企業は、そのサービスの固有性によって、やがて市場でブランド視され、なくてはならない存在になっていきます。投資家としては、そういった企業に投資すべきと考えます。
次回は、「持続可能な高ROEとそれに見合う利益成長があること」に関して説明していきます。
※上記の企業名はあくまでもご参考であり特定の有価証券等の取引を勧誘しているものではございません。
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