得する相続の鉄則は「全部で6つ」
本連載では、多くの不動産を所有する地主や都市農家の2代目、3代目のみなさんが、これから3代100年幸せに暮らす「得する相続」について説明していきます。
これまで何代、何十代と続いてきた家柄であれば、3代100年なんてたいしたことはないと思われるかもしれません。しかし、今の日本は、100年後に人口が半減するのではないかといわれるくらい大きな変化に直面しています。毎日の実感としては「何が変わっているの?」と思うかもしれませんが、20年後、いや10年後でさえ世の中は一変しているはずです。
そんな中、親から子へ、子から孫へと資産を継承していくにあたり、地主や都市農家のみなさんには、不動産をたくさん持っているがゆえの独特の難しさがあります。
どうすればいいのか。私のこれまでのコンサルティング経験から、「得する相続」の鉄則を6つにまとめてみました。
時間が経つほど状況は「どんどん悪化する」!?
鉄則①
相続税対策は一刻も早く手を打たねば損をする
地主や都市農家のみなさんはこれまで、先祖伝来の土地を堅実に守り管理していれば、いつの間にか周辺で宅地開発が進んだり、新しい道路や鉄道ができたりすることで、自然に資産を増やすことができました。
しかし、社会や経済の状況は大きく変わりつつあります。地方だけでなく都市近郊でも空き家が増え、アパートなどの賃料は下がっています。そうした変化にうすうす気づいていながら、見て見ぬふりをしている人が少なくないのではないでしょうか。
時間が経てば状況がよくなるわけではありません。むしろ、早く手を打たないとどんどん悪くなっていきます。たとえば、これから30年で東京都民の3人に1人は65歳以上になります。50年で日本の人口は4000万人ほど減ります。
地球上で長く生き残ってきたのは、力の強い生物ではなく、環境の変化に柔軟に対応した生物です。地主や都市農家のみなさんも、同じです。