株式投資の場合は、すべて「自己資金」となるが・・・
他にはない不動産投資の大きなメリットとしては「他人のお金も活用して投資できる」ことがあげられます。
例えば、株式に投資する場合、そのための資金はすべて自分の手持ちのお金から出さなければなりません。銀行などの金融機関は、基本的に株式投資のために資金を融資してくれないでしょう。したがって、2000万円の株式投資をする場合には、全額自己資金で2000万円を用意しなければならないのです。
それに対して、不動産は現物資産で担保価値があり、投資家が上場企業や優良企業の社員、公務員、医師や弁護士などであれば社会的な信用力があるので、金融機関側でも不動産投資専門のローンを用意しています。2000万円の投資用不動産を買いたいのであれば、投資家の信用と物件担保価値で銀行から2000万円全額を借りることも不可能ではありません。
私はあまりお勧めしていませんが、極端な話をすれば、物件を購入するためのお金がなくても、購入価格以外の諸費用だけで不動産投資をスタートすることも可能です。
「レバレッジ効果」でローンの支払い期間を大幅短縮
さらに、お金を借りて始めることができるため、不動産投資では「レバレッジ効果」を最大限に活用することが可能となります。レバレッジとは「てこ」を意味し、他人の大きな資本を使うことで手持ちの資金よりも数倍大きな金額を動かすことをいいます。
例えば、次の①、②を参考に見ていきましょう。②がレバレッジを効かせた場合です。
①1000万円資産を作るのに毎年50万円を貯金で貯めていく場合
②1000万円の投資用不動産を1000万円全額ローンで借り入れて、①同様毎年50万円の貯蓄で返済していく場合
どちらが早く目標を達成できるでしょうか。
まず、①については、次の計算式から20年もかかることになります。
1000万円÷毎年50万円貯蓄=20年
一方②については、たった「12年」で完済できます。レバレッジを効かせ、何年で自分の資産として完済することが可能でしょうか。借り入れ期間30年、金利3%で毎年72万円の家賃が入ってくると仮定し、ローンの支払いと物件収入、支出に関しては次のような形になっているとします。
1.ローンの返済額は毎月4万2160円。
2.管理費などで毎月1万円が出ていくが、家賃収入が毎月6万円入る。つまり、手元にはローンなどを支払っても、毎月約7800円の手取り収入が残る。
このような状況で、月々のローンの返済のほかに、年間50万円を貯金して得た資金と、7800円の手取り収入を蓄えて作った資金とで繰り上げ返済を行います。
すると、細かな計算は省略して結論からいうと、なんと「約12年」で完済し1000万円の投資用不動産を資産とすることが可能です。
内訳は12年間でローン元金は入居者が支払う家賃収入で300万円近く返済され、自身の貯金600万円と毎月のプラス収支の余剰資金を投下することで完済の速度を圧倒的に早めることが可能です。①に比べ8年も早く目的を達成できることになります。数字は変われど同様なケースで2000万円の物件で試算しても、このような結果が得られます。
多少のリスクを勘案したとしても、8年という期間ならば①とは相当な時間差があるので、十分許容範囲に収まるでしょう。
この話は次回に続きます。