収入が入ってくる「仕組みづくり」が可能に
前回の続きです。
なぜこのような差が生まれたかというと、①は自分一人の力で貯金してきたのに対し、②は入居者という、ある意味で投資のパートナーが毎月支払う家賃収入と①同様の貯金のシナジーがこれだけの効力を発揮するからです。
そのため、早期に無借金の投資用不動産を1件所有し、2件目も同様にローンを組んで購入した場合は、(1)入居者が支払う家賃、(2)自己資金、(3)所有不動産からの家賃収入といったように、トリプルで返済を行って更に完済速度を早め、自分の資産にすることが可能です。
前回紹介した例で試算すると、8年ほどで完済が可能なイメージです。こうしてレバレッジをうまく活用し資産を増やしていくことで、当初目標にしている、年金が不足する事態に備えた、収入が入ってくる仕組みづくりができるのも、不動産投資ならではのメリットといえます。
「運用利回り」「借入金利」との差を勘案する
また、他の2000万円の物件におけるケースを紹介しましょう。利回りは5%です。
借り入れ金利2%で借り入れた場合、面白いことが起きます。借入金利2%に対して運用利回りが5%であればその差「3%」は後述する「イールドギャップ」が取れるため(運用利回りの方が上回っている)、寝ている間も入居者が支払う家賃収入でどんどんローン元金が減っていくことになるのです。
そのため、運用利回りと借入金利との差を勘案しつつレバレッジをかけることによって、早期完済に向けたより精密な不動産投資が出来ることになります。
ただし、借入を大きくすることに躍起になって返済計画を立てず、早期の繰り上げ返済も考えずにレバレッジだけを効かせすぎてしまうと、金利上昇局面や空室発生時にテコの原理があだとなり、手痛いしっぺ返しを食らうことになってしまいます。
しっかりと収支計画を立てて借り入れることが大切です。計画さえしっかりすれば、レバレッジ効果を利用して利益の最大化を目指すことは、不動産投資の基本的な戦略になります。