「学力を上げる情報」の入手は容易になったが・・・
かつては、こうしたわかりやすい授業は有名予備校でないと手に入らないとされてきました。しかし昨今では、Web学習サービスなどのオンライン配信やDVDなどを利用することで、手軽にアクセスできるようになりました。それらの市場も拡大してきて、非常に安価に、誰でもどこでも学力を上げるための情報が手に入るようになったのです。特に近年のインターネット配信サービスの拡充は革命的ですらあります。
これはつまり、成績を伸ばすためのプロセスの二つ目である「知識を得たり、練習をしたりしてそれを克服する」ことへのハードルが著しく下がったということを意味しています。そして、逆にその前のプロセス、「分からないこと、できないことを見つける」ということの重要性が相対的に増したということです。これからの予備校は、弱点や課題を発見し、適切な学習法を提示するものになっていくのではないでしょうか。
「できなかった理由」を見つめれば、弱点も見えてくる
ただ、自分自身の弱点を自力で正確に見つけることも不可能ではありません。ここでは、弱点発見の方法を紹介します。
例えば数学である問題が解けないとき、「この問題が解けない」ということそのものは弱点ではなく、単なる事実です。その問題が解けないのには、何か理由があるはず。公式を知らないとか、計算力が足りないとか、基本となる概念の理解が足りないとか、そういう「不足したもの」を弱点といいます。
問題の正解、不正解ではなく、できなかった理由に注目することが弱点発見のカギとなります。自分の弱点が分かれば、それを克服することで成績は上がるはずです。
ある程度まで勉強を重ねてきた受験生は、自分の弱点に気づきやすくなりますから、成績も上がりやすくなってきます。