今回は、IPO銘柄の初値買いで意識すべき「売買のタイミング」について見ていきます。※本連載では、IPO関連情報の集積度で日本一を誇るサイト「IPOジャパン」編集長の西堀敬氏の著書『IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)から一部を抜粋し、IPO株で「超短期の公募買い・初値売り」を成功させるための投資手法を紹介していきます。

「初値が付いたあと」も株価が上昇する銘柄はあるが・・・

(IPO銘柄は)上場当日の初値騰落率が高く、初値が付いたあとも株価が上昇する銘柄も中にはあります。

 

そういう銘柄は目立ちますから、そんな株価の動きを見ているとついつい買いたくなるのが投資家の性(さが)というものでしょう。

 

しかし、初値から上場後の高値までのキャピタルゲインを狙う手法は、公開価格で買って初値で売る場合ほどには儲からないことに加えて、ちょっと目を離していると急落してしまい、元の木阿弥になってしまうリスクがかなりあります。

 

例えば前回の一代足の一覧の中にある銘柄で、2017年1月30日にIPOしたシャノン(3976・マザーズ)は、公開価格1500円、初値6310円で、初値騰落率は320%、1単元(100株)でのキャピタルゲイン額は48万1000円でした。そして、上場当日には6500円まで上昇し、上場5日後の2月3日には、上場後の高値7370円を付けています。

 

公開価格1500円で買って、高値の7370円でうまく売り抜けられれば、100株で58万円強のキャピタルゲインを得ることができた計算になります。しかし、人の欲が先行すると、まだ上がるという気持ちがそうそう簡単に利益確定の売りを出させてくれず、気が付いたときには初値の半分の水準にまで株価が下落している、ということがよくあります。

初値以降は「飛び乗り・飛び降り」のスタンスで挑む

下に、同社の上場後の日足チャートを掲載します。これを見ると、上場して1カ月ちょっとで、高値から初値の半分の水準にまで下落しています。その後、少しは株価が戻る局面もありましたが、長期低迷に入って回復の兆しが見えなくなってしまいました。

 

上場後の高値以降に買った投資家が、数カ月間におよび含み損を抱えると、その銘柄のモメンタムは弱くなり、銘柄個別のイベントが起こらないと上昇モメンタムを取り戻すことはありません。

 

初値買いは禁物とまではいいませんが、買ったらいつ売るかのタイミングを、常に意識しておくことです。そして、株価の動きから目を離さないことが何よりも重要です。

 

要は、初値以降は飛び乗り・飛び降りのスタンスでIPO株投資に臨むのが、ベストだということです。

 

[図表]シャノン(3976・マザーズ)日足チャート

本連載は、西堀敬氏の著書『IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』(すばる舎)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、出版社および幻冬舎グループはその責を負いません。

改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!

改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!

西堀 敬

すばる社

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