利食い損切りの目安は「プラスマイナス2pips」
前回の続きです。
次に、決済のタイミングです。
目安は、プラスのとき(利益確定)も、マイナスのとき(損切り)も、2pipsが目安になります。正確に2pipsではなく、目安として考えてください。数秒~数十秒単位のスキャルピングなので、決済は数字で決めるべきではありません。あくまでも、プラス方向へ伸びたらすぐに決済する、逆に、逆行したら損切りを即行なう、というイメージです。それは、1.5pipsでも、2pipsでもかまいません。このあたりは少し経験を要しますが、チャートを見て判断します。いつも2pipsと決めてしまうと、相場とは関係なく数字でトレードすることになってしまいます。エントリーはチャートで判断したのに、イグジットは数字で決めるのは変ですよね。エントリーからイグジットまで、すべてチャートを見て判断するようにします。
また、FXには必ずスプレッドがあります。そのため、エントリーしたら必ずマイナスからスタートします。損切りの場合、スプレッドを含めてマイナス2pipsなのか、スプレッドは含めないでマイナス2pipsなのかなど、疑問が出てくるかもしれません。しかし、数字で決めるから疑問になるのであり、スプレッドに関係なく、逆行したら損切りすると理解してください。業者によりスプレッドは異なりますし、通貨ペアによっても大きく変わってきます。利食い損切り幅の2pipsは、あくまでも目安になります。なお、目安2pipsは、ゾーン①での数値です。ゾーン②~⑤については目安を変更します(第15回で説明します)。
さて、これでゾーン①でトレードが完了しました。ゾーン①でエントリーしたものを決済したあと、ローソク足の動きは、次のうちどちらかになります。
●移動平均線に戻る
●ゾーン②に到達する(トレンドが継続する)
それぞれ戦略が異なるので、順番に見ていきましょう。
移動平均線に戻った場合は、同じルールでまた再開
まず、「①移動平均線に戻る」場合のルールを説明します。図表1のチャートでも、移動平均線に戻っていますね。
[図表1]ゾーン①に到達後、移動平均線に戻る
移動平均線に戻るということは、トレンドが終了して「レンジ相場」になる場合と、下降トレンドの場合なら、一時的な「戻しポイント」になる場合があります。どちらにしても、そこで、同じルールで再開します。またゾーン①に到達したら、これまで説明したルール通りトレードします。ゾーン①に到達してヒゲが出現したらエントリーですね。決済の目安は変わらず2pipsです。
この手法は、「移動平均線からの乖離」が基本になります。移動平均線に戻ったというのは、起点に戻ってきたことを意味します。乖離したら戻り、また乖離するという繰り返しになります。
トレンド継続の場合は再び「逆張り」でエントリー
次に、移動平均線に戻らず、ゾーン②に到達した場合を見ていきます。
たとえば、図表2のような相場です。ゾーン①で1回目のトレードが完了し、移動平均線に戻らずに下落すると、トレンド継続になりますね。1回目のトレードは、一時的な反転を狙います。
[図表2]移動平均線に戻らずにゾーン②に到達する
1回目が完了し、その後ゾーン①の安値をブレイクしてゾーン②に到達しました。ここで、再び逆張りで「買い」エントリーをします。相場は安値更新して一時的に反転し、また安値更新して反転します。これが相場の基本的な仕組みです。エンベロープのゾーンは、この反転するタイミングを示してくれます。エントリータイミングはヒゲの出現なので、ゾーン①と同じ考え方です。ゾーン②に到達し、ヒゲが出現したらエントリーします。ゾーン②に入ったら同じように即エントリーするのではなく、ヒゲの出現を待ちます。ゾーン②を突き抜けて、ゾーン③にいくこともあるため、反転のサイン(ヒゲ出現)を必ず待ちます。
では、ゾーン②でトレードが完了したあとを考えてみましょう。
トレードしたあとの価格は、移動平均線に戻るか、ゾーン③に到達するかのどちらかになります。したがって、以後の流れはゾーン①のときと、同じになります。
図表3のチャートを見てください。ゾーン②でトレード完了したあと、移動平均線に戻っています(図表3のA)。そのため、また1からスタートです。つまり、Bのゾーン①でエントリーを開始します。そして、Cで移動平均線に戻り、Dではまたゾーン①でエントリーをするのです。「移動平均線から乖離してまた戻る」、この繰り返しになるということを頭に入れておいてください。
[図表3]ゾーン②でトレード完了したあとは?