「通常ではない」相場の時はエンベロープは機能しない
トレードは、勝てる土俵で行なうべきです。実践しているやり方の期待値が高い相場、そうでない相場、これを把握することが大事です。
リアルタイムで動いている相場が、勝てる土俵にいるのか、そうでないのかを認識できるだけでも、勝率はかなり上がります。勝てる土俵でトレードすることで、何年トレードを行なっても期待値に収束していくからです。
エンベロープのゾーンは、どんな相場でも機能するわけではありません。通常の相場なら、移動平均線から乖離すると反転する力が働きます。しかし、通常ではない相場のときは、エンベロープは機能しなくなります。それはどういう相場でしょうか? 様子見すべきときは4つあります。
<様子見すべき4つのポイント>
①経済指標発表直後
②要人発言や選挙などイベントの日
③高安値などの節目をブレイクするとき
④参加者が少ないなど流動性が保てないとき
乱高下が見込まれるとき、流動性が低いときが注意
①の経済指標発表直後は、指標発表後の数分で価格が急騰したり急落したりします。指標の数字で動くため、いっさい予測できないランダムな値動きです。経済指標は発表の時間が決まっているので、あらかじめ準備することができます。欧州時間は17:00、ニューヨーク時間なら21:30などです。毎日トレード前にチェックして、経済指標の時間を忘れないようにしましょう。
②の要人発言や選挙などのイベントの日も、経済指標と同じ考えです。各国の要人が発言するたびに急騰急落するので、ゾーンは機能しません。イベントがある日は1日中相場が乱高下することもあります。そのような日もゾーンで判断するのは危険です。
③の高安値などの節目をブレイクするときに様子見するのは、ブレイクがどれだけ強いかわからないからです。ゾーン①に入ったと思ったら、あっという間にゾーン⑤に値が飛ぶこともあります。節目ブレイクは売買が交錯した結果、壁を突破するようなものです。壁を突破したら、その勢いがすごければ、すぐに20pipsや30pips動きます。1分で50pips以上動くときもあるでしょう。こういう場合、どこで反転するかわからないので、エントリーはスルーします。
④の参加者が少ないなど流動性が保てないときは、機関投資家が夏休みや、クリスマス休暇の時期などです。機関投資家の参加者が少ないと、ちょっと大きめの注文が入るだけで、それと同等の反対注文がなければ価格は飛びます。確実に流動性が保てない時期があらかじめわかるものではありませんが、8月と12月後半は注意したほうがいいでしょう。
その他にも、中長期的にレンジ相場になって膠着した時期などは、トレンドが発生するまで参加者が少ないときもあります。これは、日々のマーケットに関するニュースを見ていればわかるので、相場の地合いを感じ取るようにしましょう。毎日トレードしていれば、何をしなくても、相場が薄いかそうでないかがわかってきます。