損切りを躊躇したことでパニックに⁉
スキャルピングの場合、トレード回数が毎月数百回、多いときで1000回を超える月もあります。ときには損切りを躊躇してしまう場面も少なからずあるかもしれませんが、その1回が命取りになり、口座資金がなくなるようでは困ったものです。この1回の大損を防ぐ方法があります。それは、「逆指値」を使うことです。
損切り幅について説明しましたが、損切りはゾーン⑤でも6pips前後です。スリッページやちょっとしたクリックの遅れを入れても、10pipsを超える損切りはほとんどありません。では、損切りを躊躇してしまった場合はどうでしょうか。−10pipsどころか、そのまま逆行すれば、−30pipsや−50pipsもありえます。損切りを躊躇するということは、突発的に相場が動いたとか誤発注など、想定外の相場が多いです。一度ためらうと、どこで損切りすればいいかわからなくなり、ちょっとしたパニックに襲われる可能性が高くなってしまいます。結果、価格が戻るのを祈るだけで、ルールなどもはやないと同じです。そのようなとき、仮に−50pipsのときに自らの意志で損切りを実行することは、とても難しいものです。
こんなとき、損切りを躊躇しても、自動的に損切りしてくれる機能があれば便利ですね。それが、「逆指値注文」です。これは、「含み損が何pipsになったら自動的に損切りしてくれる」という注文方法です。たとえば、逆指値の設定を−15pipsに設定しておけば、損切りを躊躇して含み損が拡大しはじめても、−15pipsになった瞬間、勝手に注文されるため、ポジションがなくなります。ポジションは勝手に決済されるのですが、これ以上の含み損が増えることがないので、どんなにメンタルが崩れて損切りが遅れようが、最大損失が−15pipsになります。いわば、保険のようなものですね。
「逆指値」はあくまでも保険の意味合いで使用する
通貨ペアにもよりますが、私は、15pipsから20pipsを目安に損切り設定をしています。これで、どんな変なトレードをしようが、コツコツドカンでの大損が事実上なくなります。この安心感は計り知れないほど心理的にいい影響を与えてくれます。大損がなくなるので、あとは本来の目的である利益を追求することに専念することができるのです。
ただし、日常的に損切り設定を使うことはおすすめしません。仮に5pipsなど、いつも自動損切りを設定したとします。そうすると、どんな相場でも損切り幅が5pipsと決められてしまい、臨機応変に対応する考えが身につかず、まったくトレードスキルは向上しません。逆指値は、あくまでも保険の意味合いですから、万が一のために大きめのものだけ設定するようにしましょう。