今回は、FXトレードのルールにプラスして利益の最大化を目指す「資金管理術」について解説します。※本連載では、カリスマFXトレーダ-・ぶせな氏の著書『最強のFX1分足スキャルピング』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、数秒から数分でトレードを繰り返す投資手法「スキャルピング」の基本を解説していきます。

資金管理を加えれば、トレード手法のレベルは上がる

これまで説明したトレードルールだけでも期待値は高いのですが、これに資金管理を加えることで、全体としてトレード手法のレベルがぐんと上がります。紹介してきたルールでトレードし、100万円勝てるとしたら、ここで資金管理を加えることにより、それが120万円にも150万円にもなってきます。すると、同じ相場でも、最大限の利益を追求できるようになります。

 

トレードは、角度の違った期待値の高い視点を組み合わせることで、強固とした1つの手法になります。ポイントは次の3つです。

 

①利食い損切り幅

②勝率

③取引枚数

 

すべて、エンベロープの5つのゾーンと連動した資金管理方法です。どんな相場でも最大限の利益に変えてしまう、いわば魔法の資金管理方法です。ぜひ活用してください。

 

まず、「①利食い損切り幅」についてです。

 

ゾーン①では、決済の目安は±2pipsでした。では、ゾーン②から⑤についてはどうすればいいのか、見ていきましょう。本手法の土台となっているのは、移動平均線からの乖離です。乖離したら反転しますが、ゾーンによって反転の値幅が違います。乖離すればするほど、その反転する力も強く、値幅も出るようになります。そのため、ゾーン②から外側にいくに連れて、利食い損切り幅を伸ばします。図表を見てください。

 

[図表]ゾーン①~⑤の勝率、資金量、利食い損切り幅

 

ゾーン①では2pipsでしたが、ゾーン②では3pips、ゾーン③では4pipsというように、外側にいくにつれて1pipsずつ伸ばしていきます。移動平均線からの乖離幅が大きいほど反転する値幅も出るため、仮にゾーン⑤のときに2pipsくらいで利食いしてしまうと、非常にもったいないのです。ゾーン①のときは、移動平均線からの乖離はせいぜい10pipsから20pips程度でしょう。反転する値幅も、数pipsくらいですね。ここで、5pipsや6pipsを狙ってしまうと、勝率が相当悪化します。一方、ゾーン⑤になると、移動平均線からの乖離は40pipsから50pipsはあります。短時間でこれだけバネが伸びれば、縮む力と値幅も大きくなります。それに合わせ、利食い幅を伸ばすことが重要になります。

 

損切り幅も同様に伸ばしますが、「損切りは2pipsのままで、利食い幅だけ伸ばせばよいのではないか?」と疑問に思うかもしれません。実際にトレードしてみるとわかるのですが、ゾーン①での値動きは比較的穏やかで、上下にブレがあまりません。しかし、外側のゾーンにいくほど、値動きが激しくなっていきます。乱高下すると、上下のブレが大きくなり、ダマシも増えてきます。いつも2pipsで損切りしてしまうと、すぐに引っかかってしまい、損切り貧乏になってしまうのです。損切りしたあとに、思っていた方向へ反転しはじめるという悔しい思いが増えることになります。「あと数pips我慢していればよかった・・・」となるよりも、利食い幅と同様に、損切り幅も伸ばします。こうすることで、乱高下のブレを回避していきます。

利食い損切り幅は、常に1対1にしておく

利食い損切り幅は、常に1対1にしておきます。これを、リスクリワード比率といいますが、1対1をキープしておけば、あとは相場本来の反転する確率に期待値は収束します。外側のゾーンほど反転する確率が高くなる、つまり、トレードの勝率が上がることになります。

 

この勝率については、再び図表を見てください。ゾーン①では60%ですが、外側のゾーンにいくほど移動平均線から乖離するため、戻ろうとする力も強くなり、結果として勝率が上がります。

 

ゾーン⑤では、勝率は80%を越えてきます。したがって、勝率が高いときに、しっかりと利食いを伸ばすようにします。そうすると、勝てるときに大きく勝つことでき、その後のトレードに余裕が出てきます。相場と時期により多少前後しますが、私はこの手法で8年以上トレードしていますが、勝率は変わりません。

 

以上のような特徴を理解すれば、外側のゾーンへいくほど勝率が高く、獲得pipsも大きくなります。さらに取引枚数を増やすことで、爆発的に利益も増えるようになります。

 

再度、図表を見てください。たとえば、ゾーン①で10万通貨を基準とした場合、ゾーン②では20万通貨、ゾーン③では30万通貨というように、ゾーンごとに10万通貨ずつ増やしていきます。ゾーン①から⑤まで、最大5倍の枚数を張ることを考えてください。ただ、ゾーン①で10万通貨、ゾーン⑤が100万通貨のように、差をつけすぎてしまうのは、あまりおすすめしません。なぜかというと、倍率が大きすぎると、ゾーン⑤の全体に対する割合が大きくなってしまうからです。そうなると、ゾーン①や②でトレードしても、ほとんど利益に貢献せず、結局ゾーン④や⑤でトレードした分だけが利益になります。これでは、ルールそのものを、ゾーン④と⑤に到達したときだけエントリーする、ということと変わりありません。ゾーン①②③は、枚数が少なくて勝っても儲からないから、トレードしなくても同じということになります。しかし、ゾーン①②③はコンスタントに儲けるという観点から重要なのです。

 

一方、ゾーン①で10万通貨とし、ゾーン⑤で15万通貨までしか増やさないと、シグナルが一番多いゾーン①の利益だけが、全体に対して割合が大きくなります。せっかく外側のゾーンへいくほど勝率も上がり、pipsも抜けるのですから、もう少しメリハリをつけてロットを増やしたほうがいいでしょう。過去の経験則から、ゾーン①から⑤まで、5倍の差をつけるのが一番儲かります。

 

とはいえ、絶対に5倍にしたほうがよくて、4倍や6倍では駄目なのでしょうか?そんなことはありません。たとえば4倍や6倍にしても、相場にもよりますが収支はあまり変わらないでしょう。ただし、10倍を超えていると差がありすぎます。かといって、キリのいい数字でないと、現実的に注文するときに計算が難しくなります。その意味でも5倍がおすすめです。

 

このように、場面に応じてロットを変えることに抵抗がある人も多いと思います。倍にするのは怖いかもしれません。そのような人はすべて同じロットでもいいと思います。同じロットで、いろいろなゾーンでトレードし、感覚をつかんでください。いずれ、ゾーンによりロットを変えると一番儲かると理解できると思います。最終的には、倍率は自分自身で決めるといいでしょう。

 

私の場合も、どんな相場でも図表のロットを死守しているかというと、そんなことはありません。たとえば、ボラティリティが低く、ゾーン⑤へ到達することがないような時期は、ゾーン①から③のロットを増やすなどしています。その時期の戦う土俵がゾーン①から③とわかれば、ここで稼げるような資金管理を行なうわけです。

 

このロット調整は、経験を積み重ねることでわかるようになると思います。最初からできないのは当然なので、焦らずに日々トレードを行なっていきましょう。

本連載は、ぶせな氏の著書『最強のFX 1分足スキャルピング』(日本実業出版社)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、版元、および幻冬舎グループはその責を負いません。

最強のFX 1分足スキャルピング

最強のFX 1分足スキャルピング

ぶせな

日本実業出版社

◉カリスマ人気トレーダーが「負けない」売買方法をはじめて公開! 圧倒的な結果を出し続ける著者が、独自に開発した「スキャルピング手法」(エンベロープを表示した1分足チャートを見つつ、ネックラインを引いて確実性を…

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