前回は、経営コンサルを行う税理士に「専門力」が不可欠な理由を説明しました。今回は、税理士が「専門特化」することで得られるメリットを見ていきます。

専門特化すればするほど、仕事の幅は広がっていく

一つの業種・業界に専門特化すると、税理士としての仕事の幅を狭めるのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、それは逆で、より深く専門特化することによって、仕事の幅は広がります。

 

たとえば、個人の確定申告しかやっていなければ所得税しか使いませんが、顧客の相続のアドバイスをするためには、相続税の知識も必要ですし、法人化の提案するにも法人税の知識が必要になります。

 

また、お客様からは固定資産税や社会保険の相談と多岐にわたります。特化して深く仕事をすればするほど、仕事の幅は広がっていくのです。

ワン&オンリーの存在となり、低価格競争から脱却

また、専門特化することで見出せるメリットはいくつもあります。

 

●ワン&オンリーの存在になれる

今はまだ専門特化していない税理士が大半なので、専門特化をすることでワン&オンリーの存在になる道が拓かれます。誰も進出していない分野に飛び込めば、そこでの第一人者として不動の地位を築くことも可能でしょう。

 

●低価格競争から脱却ができる

ワン&オンリーになるということは、税理士業界に渦巻いている低価格競争に巻き込まれなくなるということです。低価格競争は、税理士業界の疲弊と閉塞感をもたらすものであり、その先に明るい将来は見込めません。

 

専門的なアドバイスを求めて来る顧客は、そもそも安い顧問料を目的としていない場合がほとんどです。顧問料が高くても的確な経営コンサルをしてもらいたいという前提で来ていますから、それ以上のメリットを得られると思えば継続して訪れてもらえるにちがいありません。

本連載は、2016年12月9日刊行の書籍『「税理士」不要時代』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「税理士」不要時代

「税理士」不要時代

渡邊 浩滋

幻冬舎メディアコンサルティング

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