今回は、「通貨」が持つ3つの機能について説明します。※本連載は、NTTデータ経営研究所でシニアコンサルタントとして活躍する桜井駿氏の著書、『超図解ブロックチェーン入門』(日本能率協会マネジメントセンター)の中から一部を抜粋し、ブロックチェーンがもたらす様々な変化について、具体例と図解で分かりやすく紹介します。

あらゆるサービスやモノの価値を比較する「通貨」

ビットコインに代表される仮想通貨は、「暗号通貨」や「電子通貨」とも呼ばれます。つまり、「通貨」の一種として利用されるべきものです。そこで改めて、「通貨」について考えてみましょう。

 

通貨とは、国家などが法律の定めに従い価値を保障した貨幣のことであり、原則、その国で通用するものです(法定通貨)。一般的には、紙幣や硬貨などのお金のことです。

 

そして、通貨には主に次の3つの機能があります。

 

1.支払決済手段(交換手段)

2.価値尺度(価値を測る尺度、計算単位)

3.価値保蔵(資産の保存)

 

モノやサービスの交換、取引は通貨の決済を通して行うことができ、通貨の基本的な機能です。そして、価値尺度として通貨という共通のモノサシ、単位があるため、あらゆるサービスやモノの価値を比較することが可能です。

 

また、通貨は物理的に変質することはなく、貯めておくことができます。この通貨の価値保蔵機能を用いれば、商品の売り・買いをいつでも好きなときに行うことができます。

価値が安定しなければ、交換手段等の機能を果たせない

これら3つの機能は、相互に関連しています。逆に言えば、価値が安定せずに、通貨の価値が下落すれば当然交換手段や価値保蔵の機能も失われてしまいます。これら3つの機能を満たし、人々が通貨として信用するからこそ、通貨はその役割を果たすことができるのです。

 

仮想通貨と呼ばれるビットコインも当然、この3つの機能を満たしていなければ、通貨といえないことになります。

 

[図表]通貨が持つ3つの機能

超図解ブロックチェーン入門

超図解ブロックチェーン入門

桜井 駿

日本能率協会マネジメントセンター

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