法人が「中央集権的に金融を運用する」時代は終わり!?
ブロックチェーンの技術によって仮想通貨が金融市場に台頭してきています。これにより、これまでの「金融」や「通貨」の常識が変わっていくと予測されています。
これまでの金融は、金融機関などの法人が主体となり、その信用力でサービスが提供されています。しかし、これからは法人が中央集権的に運用するのではなく、個人間でサービスのやり取りができるようになります。
仮想通貨の「信用」を担保するブロックチェーン
ところで、「金融」や「通貨」とはそもそもどのような役割があるのでしょうか?
よく金融は、経済を動かすために循環している血液に例えられます。モノを生産したりサービスを提供したりする一方、それを消費することで経済活動は回っていきます。この回転速度が早まることで経済は成長していきます。その経済を支える根幹が貨幣による決済です。まず第1に、金融にはこうした決済の役割があります。
2つめの役割に、お金の貸し借りがあります。経済活動を行うなかで、お金(貨幣)をたくさん持つ主体(企業や個人)と不足している主体が出てきます。たくさんお金を持つ資金余剰主体は、資金不足主体にお金を貸す(融資する)ことで経済を回していきます。
3つめは、決済や融資を通して企業間や企業と個人などの仲介(マッチング)があります。
こうした役割の根底には、金融機関としての「信用」があります。逆に言えば、「信用」があるからこそ、様々な取引の「仲介」ができるのです。そして、FinTechをはじめとするこれからの金融サービスも、この原則はしっかりと担保されないと機能しません。仮想通貨においてそれを担保するのが、ブロックチェーンのしくみというわけです。
[図表]金融がもたらす「信用」と「仲介」の役割