今回は、ブロックチェーン技術の向上によって強化される金融サービスについて見ていきます。※本連載は、NTTデータ経営研究所でシニアコンサルタントとして活躍する桜井駿氏の著書、『超図解ブロックチェーン入門』(日本能率協会マネジメントセンター)の中から一部を抜粋し、ブロックチェーンがもたらす様々な変化について、具体例と図解で分かりやすく紹介します。

既存の金融機関にはできない「低コスト化等」を実現

これまでの金融のあり方を大きく変えるであろうといわれるFinTech(フィンテック)。ITを活用することで既存の金融機関ではできなかった顧客に対するきめ細やかなサービスや低コスト化などを実現したことで、顧客本位に立ったサービスが続々登場しています。

 

すでに2000年初頭の米国では、オンラインの決済サービス、タブレットに小さなカードリーダーを装着してカード決済を提供するサービス、オンラインに特化した融資サービスなどのFinTechが登場しています。そして、世界中に金融危機をもたらした2008年のリーマンショック前後に金融サービスのあり方を問い直したことで成長を拡大させたといわれています。

 

ちょうどその同じ頃、ビットコインが誕生し、新たな通貨、決済手段として地位を築いていきます。FinTechとビットコイン、ブロックチェーンはほぼ同じ時期に発展を遂げてきたということです。

顧客ニーズに合わせたサービスを提供する「FinTech」

FinTechとブロックチェーンは共にインターネットを最大限に活用して金融分野に革新をもたらしています。FinTechの多くはITを活用して融資や送金、決済、資産運用といった金融サービスをそれぞれ顧客ニーズに合わせて提供しています。

 

そして金融機関は、FinTechに関連する取り組みの一環として、独自の仮想通貨の発行や、ブロックチェーンを活用した送金システムなどの開発に取り組んでいます。また、そうしたスタートアップへの投資も実施しています。

 

現状、ブロックチェーンと金融サービス、金融業界は切っても切り離せない状況にあり、ブロックチェーン技術の向上により、今後そのサービスはさらに強化されていき、私たち生活者も様々なメリットが享受できることになるでしょう。

 

[図表]金融サービスとブロックチェーン

超図解ブロックチェーン入門

超図解ブロックチェーン入門

桜井 駿

日本能率協会マネジメントセンター

仮想通貨ビットコインを支える技術としてにわかに注目されているのが、ブロックチェーンです。中央の管理者ではなく、複数の参加者でネットワークを維持するため、扱う情報の改ざんができず、しかもシステムダウンが起きない信…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録