前回は、フィリピン不動産投資で警戒したい、「マニラ首都圏」の状況を取り上げました。今回は、不動産投資先として、フィリピンの「マリンリゾートエリア」の評価を探ります。
開発が進み、不動産投資のうまみが薄い「セブ島」
投資対象として様々な条件が整っているフィリピン。しかし、その首都圏であるメトロ・マニラは治安、立地、価格、この3点であと一歩及ばずといったところです。
ならば本命のエリアはどこか――。日本に限らず世界的に注目されているフィリピンへの入国は、2014年で外国人が470万人、そのうち43万人が日本人となっています。大小合わせて7000以上の島々からなるフィリピンは、美しい海と自然環境があり、多くの歴史的な遺産もあるため、リゾート地としても有名です。
多くの人は、観光地として有名なセブ島を思い浮かべるかもしれません。南北に長いセブ本島の中心部にあるセブ市は、近代的なリゾート施設がたくさんあり、日本人観光客も非常に多い、フィリピン屈指の避暑地として知られています。
確かにセブ市を含むメトロ・セブはメトロ・マニラに次ぐ第二経済圏です。しかし、それゆえすでに開発が進み、2018年を目途に落ち着く見込みとなっています。こちらもマニラ同様にうまみは薄れつつあるのです。
ボホール島、ボラカイ島なども投資対象にはいまひとつ
それ以外にもセブ島のすぐ南にあるボホール島はダイビングスポットとしても知られています。「チョコレート・ヒル」では、円錐形の小さな山々が連なり、その幻想的な風景が観光スポットして注目を浴びています。
さらに世界のベストビーチに2年連続で選ばれたボラカイ島は、真っ白な砂浜が広がる美しいマリンエリアで、プライベートビーチもあり、お洒落な高級リゾートホテルやレストランが立ち並びます。
しかし、いずれのエリアも投資対象として見た場合には、いまひとつです。観光需要は一定程度ありますが、「将来性」という点で今後も急速に成長していくかというと疑問符がつくのです。
株式会社トライブホールディングス
代表取締役社長
1979年生まれ。東京の不動産投資会社にて、土地売買からアパート、マンション、ビル建設までを幅広く手掛ける。自らが考える不動産価値と収益を最大化する不動産物件を実現するため、2010年に㈱トライブを共同で設立。翌2011年、同社代表取締役就任。これからの高齢化社会では、不動産と医療は密接に連携すべきという持論の下、高収益と高付加価値を同時に実現する独自の不動産物件を多数手掛ける。自ら沖縄の医療法人にも助力し、倒産しかけた医療施設の再建に乗り出し、再生させた。また、新たな医療法人の立ち上げにも参画し、地域医療の活性化に努めている。著書に『なぜ医者は不動産投資に向いているのか?』『資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術』(いずれも幻冬舎)がある。
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連載多忙な医師でも資産を数倍に! フィリピン不動産の最強投資術
JIFPA(S)PTE LTD
代表取締役
海外不動産コーディネーター
現在は家族と共にシンガポール在住。シンガポールの富裕層へのコンサルティングや世界の金融商品に対する研究・開発活動。国内の大手精密機械メーカー海外営業部にて東南アジア・オセアニア地区のセールスマネージャーとして国際ビジネス第一線で活躍。
帰国後、国内証券会社にて超富裕層及び高収益企業の決算対策・事業承継・株価対策・資産運用などを行う傍ら、国内外の金融商品の証券化等の業務を従事。海外での資産運用の重要性、ならびにその方法として航空機を用いた資産運用・税効果の優位性に気づき、航空機専門商社に転職。病院向けのドクターヘリ設置サポートなども行う。
現在、来日時は税理士法人や医師会を対象に、事業承継・株価対策・税金対策・資産運用の講演やコンサルティングを行っている。
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