飛びぬけて高い人口増加率、際立って若い平均年齢
なぜ広いアジアのなかでも、カンボジアがフィリピンに次ぐ投資候補なのか。その理由は人口増加率を見れば一目瞭然です。
<人口増加率>
1位:カンボジア 31.9%
2位:ラオス 19.6%
3位:シンガポール 19.3%
4位:フィリピン 18.1%
5位:マレーシア 16.2%
6位:インドネシア 11.9%
7位:ベトナム 9.0%
8位:ミャンマー 8.1%
9位:タイ 2.2%
(国連『World Population Prospects:The 2012 Revision』より)
人口増加率が飛び抜けて高いのが見てとれます。中国が世界へ見せつけたように「人口=国力」です。しかも平均年齢は23.9歳。マレーシア(28.5歳)やインドネシア(27.8歳)よりもかなり若く、フィリピン(24.2歳)よりも若干若いのです。
平均年齢が若いということは生産・消費人口の比率が高いということなので、これからどのように化けていくのか期待せずにはいられません。
経済面でも非常に高いポテンシャルを秘める
カンボジア開発研究会は、政府が人材とインフラへの投資を適切に執行できれば、2030年までにGDPを5.2倍に引き上げられるとしています。また、アジア開発銀行は今後20年間の同国の経済成長率を平均8.1%と推測しています。
これほどまでに高いポテンシャルを秘めた国はアジアでは、カンボジアを措いてほかにはありません。
カンボジアはアジアのなかでも高い経済成長率を維持し続けています。現在はリーマンショックの影響もあり、6.92%と大分落ち着きましたが、それでもASEANのなかではトップクラスの成長率となっています。
<経済成長率>
1位:ミャンマー 7.03%
2位:ラオス 7.01%
3位:カンボジア 6.92%
4位:ベトナム 6.68%
5位:フィリピン 5.81%
6位:マレーシア 4.95%
7位:インドネシア 4.79%
8位:タイ 2.82%
9位:シンガポール 2.01%
ちなみにリーマンショックが発生する2008年までの経済成長率は、平均して約13%。驚異的な数値を記録しています。
とはいえ、一人当たりの名目GDPはASEANのなかで最下位の1168USドルですから、不安に思う人もいるでしょう。しかし、実際に現地へ行ってみると心配無用だということが分かります。
まず、首都プノンペンは非常に活気に満ちています。道路にはバイクが溢れ、ベンツやレクサスなどの高級車が走るなど、街の風景は戦後の日本のようなのに最新の機器や商品が溢れているのです。もちろん、人々はスマートフォンを片手に往来しています。
また、2000年頃までは世界遺産であるアンコールワットへ行くのに半日かかったそうですが、今では3時間ほどで行けるため観光客の姿も目立ちます。2014年には東京ドーム8個分という大型ショッピングセンター「AEON MALL Phnom Penh(イオンモールプノンペン)」もオープンしました。
高い人口増加率と経済成長率。それだけでも十分投資対象の条件をクリアしそうですが、カンボジアの魅力はまだまだあります。