金融機関における「AML」のメリット・デメリット

前回は、AI活用の効果が期待できるアンチマネーロンダリング(AML)の2つのシステムについて取り上げました。今回は、「AML」が金融機関の経営にどのような影響を及ぼすか、メリット・デメリットともに見ていきましょう。

AMLを怠れば、巨額の制裁金の支払いリスクも・・・

AMLへのAI活用について見てきました。全体的にまとめておきましょう。

 

①AMLを怠ると大きな経営リスクになる

 

反社会勢力や脱税目的のマネーロンダリングが世界的な問題になっており、その対策(AML)を怠ったり、当局の捜査に非協力的だったりすると、巨額の制裁金や和解金を支払うことになるかもしれません。最悪の場合は免許取り消しもあり得ます。

 

②AML自体が難しい

 

規制がすぐに変わる、国・地域によって規制が違う、グローバルに大量の情報を集めて分析しなければならない、収益を生まないので低コストで実現する必要があるなどの理由で、AMLそのものが難しいといえます。

 

③AMLにはAIが適している

 

AMLではパターン検知が機能の中心となるので、AIを活用しやすい分野といえます。実際にAIを活用したソリューションも存在し、実績を上げています。

 

AMLの積極的な実施が、企業価値の向上につながる

AMLを怠ると経営リスクになりますが、逆に積極的に実施していることを示せれば、企業価値の向上につながります。

 

またメガバンクなどの大手グローバル企業だけが対応すればいいわけではありません。日本では、ナイジェリア人らによる地方銀行や信用金庫を利用した、27億円以上に上るマネーロンダリング事件が発生しています。これは、英語ができる行員が少ないことと、海外送金に不慣れな点につけ込まれたもので、強い警戒と対策が必要です。

 

本連載は、2017年12月18日刊行の書籍『AI化する銀行』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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株式会社オメガ・パートナーズ 代表取締役社長

東北大学大学院理学研究科数学専攻修了、京都大学MBA(金融工学コース)修了。
大学院修了後、富士通株式会社に入社。
金融システム・エンジニアとして、銀行勘定系システム開発プロジェクト、および証券取引システム開発プロジェクトに参画。
その後、みずほフィナンシャルグループのクオンツ・アナリストに転身し、デリバティブ・ビジネスやリスク管理業務に従事。
株式会社Sound-Fの金融工学部門のマネージャーを経て2015年から現職。
近年では高度市場系金融システム開発プロジェクトへの参画や、金融業務向け人工知能開発、
ブロックチェーンを活用したインフラ構築ビジネスに従事している。

著者紹介

AI化する銀行

AI化する銀行

幻冬舎メディアコンサルティング

AIの導入によって日本の銀行が、そして銀行員の働き方が劇的に変化します。 単純作業は真っ先にAIに切り替わり、早いスピードと高い精度で大量の業務がさばかれていきます。 さらに、属人的な業務でさえも、AIが膨大なデータ…

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