京都はオフィスストックは減少し、賃料上昇を予測
<京都>
2017年も大型の拡張移転や新規開設により空室率は2017年Q2に0.9%まで低下。テナントにとっては、希望条件を緩和してもスペースを確保することが困難な状況。新規供給がないことに加え、既存ビルがホテルなどに用途転換されているため、オフィスストックは減少している。この先の2年間も、賃料の上昇は続く見通し。
<神戸>
2017年は立地改善や集約移転の他、複数の大型の新規開設の動きにより空室消化が進み、空室率は1996年Q4の調査開始以来初めて5%を割り込んだ。三宮駅周辺の受け皿不足により、その他のエリアでも郊外から立地改善を目的とする流入の動きが続いている。そのため、空室率はさらに低下すると予想。賃料上昇のトレンドは今後も続くだろう。
需給は引き続きタイトで、賃料上昇が続く福岡
<広島>
2012年以来5年ぶりとなる新築ビルは、郊外からの複数の大型テナントによりほぼ満室で竣工した。ビルのグレードアップや増床を伴う集約移転のニーズが強く、空室率は2017年Q3に2.8%まで低下した。2019年には2棟の新築ビルの竣工が予定されている。中でも「広島二葉の里プロジェクト」は新興エリアでの開発で、注目が集まっている。この先も賃料は緩やかに上昇していくと予想。
<高松>
空室率は一進一退の状況が続いている。2017年は新規開設・拡張ニーズが増えた一方、四国から撤退を決めた企業も複数みられた。空室率は9%台が続いており、他の地方都市と比べると高止まりの状況。しかし、立地・設備改善のために郊外から中心部へ移転を検討するテナントも増えつつある。今後、空室率は緩やかな低下トレンドを辿り、賃料は小幅ながら上昇していくと予想する。
<福岡>
テナントの拡張ニーズが旺盛なことに加え、「天神ビッグバン」に関わる立ち退き移転などにより2017年は空室の消化ペースが加速。空室率はQ2に1%を下回った。需給が極めてタイトな中、賃料の上昇率は前年に続き2017年も全国の調査対象都市の中でトップ。2019年頃までに6,400坪超の供給が予定されているものの、現在みられている新規開設や拡張ニーズを満たすには、十分とは言えない。需給は引き続きタイトで、賃料上昇が続くだろう。
[図表1]空室率・賃料推移
[図表2]全国と地方都市の新規供給