社長は最低「月100万~150万円」の報酬はとるべき
失われた20年と言われる日本経済において、この間、一番損をしたのは中小企業の社長ではないかと思います。とにかく今、社長の給料は低すぎる。
理屈はありませんが、社長は最低、月100万〜150万円の報酬を堂々ととるべきであろうと思います。借金の個人保証をして、自宅まで担保に入れて経営するわけですから・・・。私の事務所の顧問先を調べてみたら、月100万以上とっている社長は、だいたい5人に1人でした。
社長のプライベートのゴルフや飲み代を、一生懸命会社で精算している社長は多いですが、そんなことをするぐらいだったら、給料をしっかり取ればいい。知らないだろうと思っているのは社長ぐらいで、社員はだいたい全部わかっています。
これで社員に一生懸命働け、と言ったところで、「俺のプライベート」のために働いてくれと言っているのと同じです。
話がずれましたが、取締役の給料は月100万円、社員の給料は、同規模の同業他社の10〜20%上を目指すべきです。ここを目指すと、社員一人当たりの生産性は、どうやっても最低年1000万は必要になるわけです。
[図表1]変動損益計算書
まずは人件費を含めて9割経費、1割利益を目指す
私が初めてお会いする社長さんにはいつも、粗利益の10%の利益をまず目指してくださいと申し上げています。
企業の外部活動によって得た粗利益のうち、人件費を含めた内部経費90%、残り10%が経常利益です。中小企業でも優良会社は、20%近くの利益を出しています。10%の利益確保は容易ではありませんが、仮に利益のうち半分が税金だとすると、最終的に会社に残る利益は粗利益の5%にすぎません。
これらすべてが達成されている中小企業は、現実にはそれほど多くはありませんが、必ず実現していこうとする社長の意志が、社長自身の日々の行動を変えていくことになります。
[図表2]変動損益計算書
もしあなたの会社が今、常に赤字体質だったり、粗利益に対してやっと2〜3%の利益しか出ていないという状況なら、ビジネスモデルを根本的に見直し、売り上げ構成を抜本的に見直すか、そうでなければ今の人員の8割で同様の効果を上げることができなければ、10%の利益は実現しないと考えるべきです。
大事なのは、できるかできないかではなく、そちらの方向に向かうと決意することです。人件費を含めて9割経費、1割利益、常に社長の頭に置いておきたい割合です。