前回に引き続き、信用取引のメリットについて見ていきましょう。今回は、「買い建て」「売り建て」が可能である点について説明します。※本連載は、楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリストである土信田雅之氏の著書、『ど素人でも稼げる信用取引の本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「信用取引」の基本と仕組みについて具体的に説明します。

株価が高くなったら売り、利益を得る「買い建て」

信用取引には、「資金を借りて買う取引」(買い建て)と、「株式を借りて売る取引」(売り建て)の2種類があります。特に売り建ては、信用取引におけるメリットの筆頭に挙げる人も多くいます。

 

今後、株価が値上がりすると予想すれば買い建てを行い、反対に値下がりすると予想すれば売り建てを行うのですが、それぞれのイメージを具体例で説明したいと思います。

 

以下の図表のように、株価が1000円の銘柄Aを1000株取引したいと思います。取引金額は、1000円×1000株で100万円です。

 

[図表]買い建てと売り建てのイメージ

 

まずは買い建てです。「証券会社から100万円の資金を借りて、株価1000円の銘柄Aを1000株買う」となります。

 

その後、予想が見事に当たって株価が上昇し、1200円になったので売却します。1200円×1000株の120万円が売却金額になりますが、この120万円から最初に借りた100万円を証券会社に返済して、手元に残った20万円が利益になります。

 

「株価が高くなったら売って利益を得る」という点は現物株取引と同じです。

株価が下落するほど利益が増える「売り建て」

次はいよいよ売り建てです。「証券会社から1000株借りて、銘柄Aを1000円で売る」ことになります。この時点で、売却代金の100万円をいったん手にすることになります。

 

その後、株価が800円まで下落したので、この値段で1000株を買い戻して証券会社に返済します。これによって、売却代金の100万円と、1000株を返済するためにかかった買い戻しの費用80万円(800円×1000株)の差額である20万円が利益になります。

 

売り建ては、株価が下落するほど買い戻しの費用が安くなり、利益も増えるというのがポイントです。現物株オンリーの方にとっては、「売り建て」に対して少しイメージしにくい面があるかもしれませんが、売り建てによって取引の自由度は大きくなります。

 

※ちなみに、新しく信用取引を始めることを「新規建て」、信用取引を手仕舞うことを「返済」といいます。さらに詳しく分けると、買い建ての場合は、「新規買い建て→売り返済」、売り建ての場合は、「新規売り建て→買い返済」になります。

本書に記載されている情報は、2017年4月執筆時点のものです。本書に記載された商品やサービスの内容や価格、URL等は変更される場合があります。本書の出版にあたっては正確な記述につとめましたが、著者や出版社などのいずれも、本書の内容に対してなんらかの保障をするものではなく、内容やサンプルに基づくいかなる運用結果に関してもいっさいの責任を負いません。

ど素人でも稼げる信用取引の本

ど素人でも稼げる信用取引の本

土信田 雅之

翔泳社

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