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信用取引で「配当金」「株主優待」の扱いはどうなる?

今回は、信用取引における「配当金」「株主優待」の扱いを見ていきます。※本連載は、楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリストである土信田雅之氏の著書、『ど素人でも稼げる信用取引の本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「信用取引」の基本と仕組みについて具体的に説明します。

配当金も株主優待も「受け取れない」

株式取引には売買による利益(キャピタルゲイン)以外にも、配当金(インカムゲイン)や株主優待を受け取るなどの魅力があります。配当金や株主優待は株主であれば得られる権利です。

 

では、信用取引の場合、配当金や株主優待はどうなるのでしょうか?

 

結論からいってしまうと、信用取引で株式を買った(買い建てした)場合、配当金は「受け取れないけど、受け取れる」、株主優待については「受け取れません」。

配当金の代わりに「配当金相当額」を受け取れる

自己資金による現物株取引とは違い、信用取引の買い建ては資金を借りて行うため、買った株式は自分のものにはなりません。「じゃあ、誰のもの?」という疑問が浮かびますが、資金を貸している証券会社や証券金融会社が担保として保有することになります。そのため、信用取引で株式を買っても、株主優待や配当金を受け取れません。

 

とはいえ、配当金については先ほど「受け取れないけど、受け取れる」と書きました。矛盾した言い回しですが、これは配当金そのものを受け取れない代わりに、「配当金相当額(配当金調整額)」というのを受け取るからです。

 

配当金を受け取るには、「権利付最終日(※)」の取引終了時点で株主である必要があります。権利付最終日の翌日に株を買っても配当金はもらえません。この日を「権利落ち日」といいます。理論上は、権利落ち日に配当金の分だけ株価が下がることになります。

 

(※)権利付最終日・・・株主の権利を得るには、権利確定日に株主であることが必要です。通常の場合、企業の決算月の月末が権利確定日ですが、株式は取引日と受渡日が異なるため、権利確定日の3営業日前、つまり権利付最終日までに株式を買っておく必要があります。

 

株価の下落は、買い建てにとっては損失、売り建てにとっては利益ですが、市場の売買によるものではなく、あくまでも株主の権利関係によるものです。そこで、配当金に相当する額を売り建て側から徴収し、買い建て側に支払うことで、配当金の権利落ちによる株価下落の影響をお互いにチャラにしようというわけです。

 

そのため、配当金の権利発生のタイミングで売り建てをしていると、配当調整額を支払うことになる点には注意が必要です。ちなみに、配当調整額は信用取引の諸経費として扱われます。

 

[図表]信用取引の株主優待や配当金はどうなる?

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト

青山学院大学国際政治経済学部卒業。国内証券会社にてマーケティングや商品開発に携わった後、マーケットアナリストに従事。日本テクニカルアナリスト協会会員。日本国内の市場はもとより、過去に中国への留学経験もあり、中国の最新事情にも精通している。チャートやファンダメンタルをプロの視点で分析した解説は、初心者にもわかりやすいと定評があり、多くのメディアに取り上げられている。

現在、マネー誌の『ネットマネー』(産経新聞出版社刊)にて、新興国経済を国ごとにフォーカスした「スパイシーマーケットの歩き方」を好評連載中。

著者紹介

連載初心者にもよくわかる「信用取引」の基本と仕組み

本書に記載されている情報は、2017年4月執筆時点のものです。本書に記載された商品やサービスの内容や価格、URL等は変更される場合があります。本書の出版にあたっては正確な記述につとめましたが、著者や出版社などのいずれも、本書の内容に対してなんらかの保障をするものではなく、内容やサンプルに基づくいかなる運用結果に関してもいっさいの責任を負いません。

 

ど素人でも稼げる信用取引の本

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