前回に引き続き、信用取引のメリットについて見ていきましょう。今回は、投資資金の節約面について紹介します。※本連載は、楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリストである土信田雅之氏の著書、『ど素人でも稼げる信用取引の本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「信用取引」の基本と仕組みについて具体的に説明します。

レバレッジの活用で資金を節約…投資の選択肢も増える

前回は、信用取引のメリットのひとつであるレバレッジを、「手持ち資金の約3倍の取引ができる」と説明しました。言い換えれば、「取引したい金額の30%の手持ち資金が必要」でしたが、実は、こちらの表現のほうが信用取引の本質を適切に説明しているのです。

 

確かに、少ない手持ち資金で大きく取引できるレバレッジは、その分だけねらえる利益も大きくなる一方、同時に株価が変動する際のリスクも高まることにもなります。これは資金効率の一側面に過ぎません。

 

例えば、手持ち資金が300万円あり、買いたい株(銘柄)が300万円だったとします。手数料等のコストを考慮しなければ、そのまま現物取引で買うことができますが、その時点で手持ちの資金を全て使ってしまうことになります。

 

そこで、信用取引を活用すれば、300万円の株を90万円で買うことができます(取引金額300万円の30%)。そして、残った210万円で他の銘柄を買ったりするなど、投資の選択肢を増やすことができます。もちろん、損失の発生に備えて多少の現金の余裕を持つ必要がありますが、投資資金を節約できることで、資金効率はグッと良くなります。

 

[図表]信用取引で取引金額を節約

利点は「大きく取引できる」「投資資金が節約できる」

したがって、信用取引における資金効率の良さとは、「大きく取引できる」「投資資金が節約できる」の2点にまとめることができます。ただ、これはあくまでもレバレッジという切り口になります。

 

実は、信用取引にはもうひとつ、現物取引との制度の違いによる資金効率の良さがあるのですが、これについては後ほど詳しく見ていきたいと思います。

本書に記載されている情報は、2017年4月執筆時点のものです。本書に記載された商品やサービスの内容や価格、URL等は変更される場合があります。本書の出版にあたっては正確な記述につとめましたが、著者や出版社などのいずれも、本書の内容に対してなんらかの保障をするものではなく、内容やサンプルに基づくいかなる運用結果に関してもいっさいの責任を負いません。

ど素人でも稼げる信用取引の本

ど素人でも稼げる信用取引の本

土信田 雅之

翔泳社

【本書のポイント】 ●豊富な図解で信用取引の仕組みがしっかり分かる ●信用取引のリスクを抑えて勝率を上げるテクニックを伝授 ●デイトレーダーに役立つ売買手法を解説 ●現物取引しかしない投資家にも役立つ情報が満載…

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