手持ち資金の「約3倍」の取引を行うことが可能
実際に信用取引を積極的に活用している人たちは、信用取引のどこにメリットを感じているのでしょうか?
恐らく、いちばん多い意見は「資金効率の良さ」だと思います。少ない資金で大きな取引ができること、つまり「レバレッジ」が効いている点です。信用取引では手持ち資金の約3倍の取引を行うことができます。
例えば、現物取引で1000株取引できる資金があれば、信用取引を利用することで約3000株の取引ができるというわけです。取引の規模が大きくなれば、それだけ得られる利益も大きくなります。
ただし、大きな利益がねらえる分、発生してしまう損失も同様に大きくなります。ハイリスク・ハイリターンというわけですが、そのリスクとリターンの度合いは、レバレッジが大きくなるほど高まります。
ちなみに、他のレバレッジ型商品である、FX(外国為替証拠金取引)や株価指数先物取引のレバレッジは一般的に20倍を超えています。レバレッジの視点で見れば、信用取引は世間が抱くネガティブなイメージほどリスクは高くはないといえます。
「取引したい金額の30%」が手持ち資金として必要に
また、信用取引のレバレッジですが、「約3倍」というように、少しアバウトな説明になっています。実はこれには理由があります。
信用取引のレバレッジの正確な表現は、取引したい金額の30%の手持ち資金が必要になります(※)。
(※)信用取引に必要な手持ち資金のことを「委託保証金」といいます。また、この30%のことを「委託保証金率」といいます。
つまり、300万円の株を信用取引で買いたい場合、300万円の30%、つまり90万円の手持ち資金があればOKということです。
また、100万円の手持ち資金があれば、信用取引で最大333万3333円(100万円÷30%)までの取引ができるわけですが、この例のように計算で割り切れないケースもあるため、便宜上、「信用取引は手持ち資金の約3倍の取引が可能」と説明することが多いのです。
[図表]信用取引はレバレッジ(てこ)が効いている