買主にとって魅力があるのは「資産価値」がある物件
前回の続きです。
ただし、同じ築古の木造物件でも、物件によって売りやすい・売りにくいという問題はあります。古くても買主にとって魅力のある物件というのは、資産価値がある物件(つまり立地が良く土地値のある物件)、きちんとメンテナンスされていて入居がされている物件ということになります。
法定耐用年数超えの築古木造物件の場合、建物の評価がほぼゼロなので、土地値に近い価格で売られている物件もあります。土地値は減価しないので、このような物件は価格下落のリスクが非常に少ないといえます。
一方、売買契約における建物価格は銀行の評価額とは別に、売買契約時に売主との交渉で決めることが可能なので、売買価格に占める建物価格の割合を合理的に可能な範囲で多くすることで買い手は効率的に減価償却ができます。先述の通り、建物をリフォームしているかどうかといった実態に即して価格の内訳を決める必要があります。
4年で減価償却が終わった後は、また収益物件として売却してもよいですし、場合によっては建物を壊して更地として売ることも可能です。もちろん更地にするには入居者の追い出し、解体があるので簡単ではありませんが。
逆に売りにくいのは、地方都市の総額が大きい物件
このように立地が良く、土地としての魅力がある物件であれば、節税しながらキャッシュフローを得たうえ、様々な出口戦略が描けます。このような物件は買主にとって非常に魅力があり、売りやすい物件だといえます。
また価格的には総額で1億円くらいまで(都心部であれば2億円くらいまで)の物件が売りやすいといえます。
逆に売りにくい物件とは、地方都市の総額が大きい物件です。地方都市であれば1億円を超える築古木造物件は売りにくいといえます。
たとえば、3棟が同一敷地内に建っている物件で総額が大きくなってしまう物件は売りにくいのが実情です。もし3棟を1棟ずつ売れるようであれば総額が抑えられるので売りやすくなります。逆に言えば、1棟ずつ売れるかどうかを確認して取得する必要があるといえます。