特別豪華でもないヴィラが1泊830ドル!?
ある日、すでにヴィラを所有しているオーナーの方が、物件視察のため筆者のところへ訪れました。「次は、ラグジュアリー感のある高級ヴィラがいい!」とのご希望でしたので、ザ・レギャンとSamayを案内することになりました。
ザ・レギャンは、1ベッドルーム10部屋程度、2ベッドルームが3部屋あります。 場所は、スミニャックオベロイストリートの、おしゃれなビーチクラブやホテルがある並びで、通りから海沿いにホテルがあり、通りを挟んだ逆側にヴィラがあります。
1ベッドは敷地約3アール程度、塀も高くプライベート感あり。1ベッドだから、お客はカップルがほとんどで、稼働率は、7~8割だそうです。その日、空室は1部屋だけでしたので、唯一の空室だった1ベッドルームを見せてもらいました。
【宿泊料】
1ベッドルーム: 830ドル(約9万3000円)
2ベッドルーム: 1700ドル(約19万4000円)
部屋のスペックを考えれば、かなり強気な価格だといえます。
ベッドルームは、特別広いわけでも、超豪華なわけでもありません。リビングは少し広いですが、それでも15~20畳程度。バスルームは大理石が貼られていて、広くて豪華ですが、プライベートプールは小さい。 部屋を見る限り、「これで1泊830ドルっていうのは、どうかな?」という印象です。
サービスはというと、
●ホテル内の施設が使える
●ドリンクバーの飲料が飲み放題
●空港への送迎がついている
●朝食と3時までのティータイムにお茶、デザートが頼める
●小さいプライベートプールがある
というもの。
確かに「プライベート感」がありますから、気兼ねなくくつろぐことができるでしょう。しかし、ほかのヴィラでも、同程度のサービスは提供できるはず。客観的に比較しても、筆者が管理している「Villa KAMEHAMEHA」の方が断然よいといえます。KAMEHAMEHAは、現在1泊500ドル、ピークシーズンでも800ドル。一緒にいたオーナーさんも同意見です。
ポイントは「ネームバリュー」と「スタッフの質」
では、何が違うのでしょうか。
結論を言うと、「ネームバリュー」と「スタッフの質」です。
この施設は、オープン当初から高価格で、徹底してイメージを作り上げました。スタッフの報酬も高く、質の良い人材を集め、教育しています。宿泊していないから詳細は分からないですが、スタッフのみなさん、英語の発音はきれいですし、見た目もシュッとしています。
ハード面は、お金さえかければいくらでもよくできるのですが、ソフトは簡単ではありません。アマングループは、日本の高級旅館のサービスを参考にして、人件費の安いアジアで展開し、ブランドを確立しました。ブランド力というのは一朝一夕で作れるものではありませんが、ヴィラ経営をやるからには、そこを目指していきたいものです。