スミニャックの王族が所有しているヴィラを契約
先日、スミニャックの王族が所有しているヴィラを契約しました。
インドネシアは、18世紀頃にオランダが統治するまで王国が支配していたところです。バリ島には現在、下記の9つの県があるのですが、昔はそれぞれに王国がありました。
1.バドゥン県 Kabupaten Badung
2.バンリ県 Kabupaten Bangli
3.ブレレン県 Kabupaten Buleleng
4.デンパサール市 Kabupaten Denpasar
5.ギャニャール県 Kabupaten Gianyar
6.ジュンブラナ県 Kabupaten Jembrana
7.カランガスム県 Kabupaten Karangasem
8.クルンクン県 Kabupaten Klungkung
9.タバナン県 Kabupaten Tabanan
県は郡に分かれていて、それぞれ王家が治めていたのです。スミニャックがあるバドゥン県は、下記のように分かれています。
クタ郡
メグウィ郡
アビアンスマル郡
ペタン郡
南クタ郡
北クタ郡
プライドが高く、交渉も一筋縄ではいかないが・・・
さて、バリの王族ですが、今でも身分は高く、多くの土地を所有しています。しかし、非常に裕福かというと、必ずしもそうではないようです。土地はそれだけではお金を生みませんし、立場上、やたらに売るわけにもいかないからです。
また、王族の人たちはプライドが高く、話し合いも一筋縄ではいかないケースが少なくありません。
不動産の売買にしろ、本来であれば、売り主側(王族)のエージェントが調整をするのが道理ではありますが、バリ人のエージェントはいつもこちら任せ・・・。
今回の契約では、売主が早く手付けをいれてほしいというので、買主に無理を言ってバリに来てもらい、打ち合わせを重ね、なんとか契約の運びとなりました。
契約当日は、買主が日本からバリに来て、空港から直接売主のところに行き、契約をする段取りになっていました。
予定通り売主の家に行き、契約書を見せたのですが、
「今日は日曜日でノタリスもいない。サインはしないよ」
というのです。
「先日打ち合わせて、内容も日にちも決めたのに! お客さんにわざわざ日本から来てもらったのに、なにをいまさら!!」
・・・しかし、ここで怒っても仕方ありません。
「わかりました。では、話が潰れてもいいんですね? こっちは構いませんが、本当に、本当にいいんですね?」
と、優しく丁寧に交渉します。そして、
「サインをすれば、明日にはお金を入金しますよ」
と、用意しておいた現金を見せ、交渉を重ねるのです。
このようなやり取りを経て、無事、売買は成立しました。
以前、バブル期の地上げ業者に聞いたことがあります。
「人間、現金を見ると、心が動くものなんだよ」
この点に関しては、日本もバリも同じということなのでしょうか・・・。