オーナーから、収支報告も入金もないと泣きつかれ・・・
バリ島には多くのヴィラの管理者がいます。
「管理会社」ではなく、「管理者」としたのは、法人組織ではなく、個人事業レベルで管理をしている人が多いからです。
ヴィラの所有者(オーナー)には、自己使用を目的としている人と、賃貸収益を目的としている人がいて、それぞれ管理の内容が異なります。
自己使用が目的の物件なら、日々の清掃、建物・設備の修繕、庭・プールの手入れなど、快適に生活できる状況を維持することが管理となります。
賃貸収益が目的の物件ならば、上記の他に、ヴィラ利用者の集客、接客、賃貸金の管理が加わります。
先日、あるヴィラのオーナーから、管理会社について相談を受けました。
この物件は以前、弊社の現地法人による仲介でご購入いただいたものです。同じ敷地に複数のヴィラがあり、ヴィラの開発者が販売・管理を一括して行っていたことから、その会社にそのまま管理を依頼していました。管理会社の代表者は、インドネシア人です。
オーナーからの相談は、
「今年に入り、収支報告書が一度も来ません。賃貸料の入金もありません。催促のメールをしても返事がありません。どうしたらよいでしょうか? 調べていただけませんか?」
というものでした。
「あと5日以内に振り込まないと警察に行きます!」
こちらとしては、管理物件ではないものの、弊社の仲介で購入していただいていることもあり、放っておくわけにもいきませんので、管理会社の社長に電話を入れてみました。
出ません。
何度電話しても、出ません。
まさかオーナーに「電話しても出ません」などと、子どもの使いみたいなことは言えませんから、現地にある管理会社に行ってみました。
社長はいません。スタッフに管理報告、賃貸料の未払いについて聞くと、
「自分たちは分からない。社長に聞いてくれ」と・・・。
「その社長が捕まらないから、わざわざ来てるんですよ。じゃあ、電話して社長を捕まえてくださいよ!」
現場でスタッフが電話を入れたら、社長が出ました。
「どうなってるんですか? なんで出ないんですか!? 何度も電話したでしょう!」
「すみません。遠くにいるものですから・・・」
「何いってるんですか、電話は遠くにいる人と話す道具でしょう! ところで今回の件、一体どうなってるんです?」
「実は、経理が辞めたので・・・」
「いつ辞めたっていうんですか? もう半年も経つじゃないですか!」
言い訳ばかりして、まったく埒が明きません。
「とにかく、明日、ウチの会社に来てください!」
翌日、社長がやってきました。
すぐに言い訳が始まります。売上が悪かっただの、ヴィラの工事にお金がかかっただの・・・とどのつまり、本人がお金を使い込んだのです。
「犯罪ですよ。すぐに振り込んでください!」
「すみません、今はありません・・・」
「すみませんじゃないでしょう! 今日中に振り込んでください!!」
「では、今月中には、、」
「ダメです。あと5日以内に振り込まないと警察に行きます!!!」
「・・・・・」
一体どうなることやら、です。
実際、こういうトラブルは少なくありません。
最終的には、ウチが管理を引き受けることになるのでしょうか・・・。