ベトナム人の目線で見る「ホーチミン中心地周辺」の不動産事情

前回は、ベトナム人の目線から見たホーチミン近郊の不動産事情を紹介しました。今回も、引き続き、ホーチミンの中心地周辺の不動産事情を見ていきます。

割安物件は「中心区に隣接する地区」が狙い目

今回は、ベトナム人の住宅用地として開発が進んでいる地域や、今後の開発が見込まれる、ホーチミン中心地周辺の地域について解説します。

 

まずは、中心地ホーチミン1区に隣接しているビンタイン区(BINH THANH)です。ビンタイン区は、1区に隣接する区の中で最も面積が大きく、人口も最も多い地区で、立地の良さもあり多くの大型プロジェクト開発が進んでいます。

 

そのなかでもVINHOMESが手掛ける「Central Park」プロジェクトは、開発面積42ヘクタールで、ベトナム最大である81階建てのランドマークを含んだ、19の棟と93の戸建から成ります。14ヘクタールの公園を有し、約1万ユニットを供給する、このホーチミン市最大の開発プロジェクトは、現在、その80%程が完成引渡済みで、すでに多くのベトナム人や外国人が入居しています。

 

同じくVINHOMEが開発販売している「Golden River」プロジェクトは、ホーチミン1区の中心地寄り(「Central Park」から車で5分程の距離)です。仕様は異なりますが、間取りが同じタイプのコンドミニアムで比較すると「Central Park」より販売価格が倍に近い物件もあります。1区中心地に隣接する割に、「Central Park」にはまだ割安感があります。

 

ベトナム人の投資家目線で言うと、ビンタイン区は投資先としても、住居としても人気の地域で、先ほど述べたように1区と隣接する立地にありながら割安感があります。外国人向けの大型開発だけではなく、4階~5階建ての住居をリフォーム、もしくは建替えしたサービスアパートも近年は増加しています。日系の飲食店も日本人街(レタントン通り)からの移転や新規出店によって増加しており、中心地の賃料が高騰しているので、第2の日本人街としても注目を集めています。

 

続いて、同じく1区に隣接しているフーニュン区(PHU NHUAN)を解説します。フーニュン区は、昔から中流住居地区として認知されており、住居地域としては人気の高い地域です。特に、1区から川を跨いだファンシンロン通り(Phan Xinh Long)には日系の飲食店やスターバックスなど多くの外国企業やローカル企業の飲食店が立ち並び、通りは非常に賑やかです。

 

ベトナム人投資家の目線からすれば、どちらかと言うと投資地区はファンシンロン通りに集中しており、その他はベトナム人の中流階級の住居地域としての位置付けである認識です。私自身も以前、同地区で事務所を構えていましたが、空港と中心地の間に位置し、どこに向かうにも時間ロスが少なく、非常に便利な場所でした。

 

住居価格が10年前の10倍となっている地域も

続いて、3区に隣接している10区、11区、ビンタン区を解説します。ホーチミンに住んでいる日本人でも、この3地域の場所や区の境目が解らない方は多いと思います。近年はビンタン区に「AEONビンタン店」がオープンし、その通り道である10区、11区も外国企業に認知されるようになり、日系の飲食店も、ちらほらと出店を開始しています。

 

ベトナム人投資家の目線で言うと、この地域は、まだまだベトナム人向けの住居地域としての位置付けであり、ベトナム人をターゲットにした地域です。ただ、AEON周辺と中心地からの道路沿いは賃料の安さもあり、外資の飲食店が2店舗目、3店舗目の出店先として検討しやすいのがこの地域です。

 

最後に、ゴーバップ区(GO VAP)を解説します。中心地1区からですと、タンソニャット国際空港方面です。空港の玄関口がゴーバップ区に位置し、飛行機が離陸する際には上空を通過する地区です。ホーチミン市のベットタウン地域であり、大学も多く、地方から出て来る若者も多く集まります。住居や生活品は安く、人が集まりやすい条件が整っている地区です。

 

近年では、ローカル企業が積極的に大型のショッピングモールや複合型の商業施設を開設しており、市場など昔ながらのベトナムの風景と、近代的な建物が入り混じった地域になっています。

 

これらはベトナム人投資家の目線で言えば、現在は住居専用地域、10年前と比べると住居価格が10倍になっている地域もあり、住居用地への投資先としては人気があります。ローカル企業による小規模開発(建売販売)も多く、投資用としても住居用としても需要は高いです。

 

ただし、インフラ整備中であるものの、朝夕のラッシュ時は渋滞が激しく、7区と同様に早急なインフラ整備と都市鉄道(計画中)を含む公共交通機関の整備が急務だと考えられます。今後も人口増加は続くと見込まれるので、外資からの投資先として注目しても良い地域でしょう。

 

これまで3回にわけて、ホーチミン市の区別の特徴と投資家目線で解説を行いましたが、その他に紹介できなかった地域でも中心地が高騰していく中で、郊外への分散化も進んできています。先述したように、ベトナムでは不動産を購入した後の運営管理をしっかり行える業者(コンサルティング的な役割も出来る)も含め、トータルで考えた不動産投資を考えて頂きたいと思います。

 

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連載ASEAN諸国で最も熱いベトナム――現地から探る不動産投資と事業の可能性

VINA COMPASS Co., Ltd. General Director

沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。
2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。
現地企業やベトナム政府事業の実績を活かし、越人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサル支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店としてCentral Parkプロジェクトの販売を手掛けた。
2018年、SHINY社、合弁解消後。新たに独資でVINA COMPASS社を設立。不動産販売仲介、賃貸仲介、管理運営、内装工事、進出支援コンサル業を手掛ける。特に進出時の事業許可、会社設立時のリスクヘッジ関連を得意としている。

著者紹介

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