
今回は、「森永製菓」の今後の展望について取り上げます。※本連載では、『株式投資の王道 プロの目利きに学ぶ「良い会社」の見分け方』(日経BP社)の中から一部を抜粋し、投資のプロフェッショナルが選んだ、注目企業の経営戦略の特徴、ビジネスモデルの強み、将来への課題などを考察します。
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最優先課題の1つとして取り組む「グローバル化」
前回の続きです。
2013年に新井徹氏が社長に就任して以来、アグレッシブな姿勢が伝わってくるようになりました。広報部門を経験したこともある人物なので、会社として世の中にメッセージを伝えることの重要性を認識しているのだと思います。
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そんな森永製菓が一層の成長を達成するために喫緊の課題となるのは、海外展開でしょう。もっと「Morinaga」というブランドを強く打ち出してグローバルに展開する必要があります。現在、グループの売上高に占める海外比率はまだ10%程度にすぎないのですが、これは、製造業を手がける日本の大手企業としてはかなり低い割合です。ここ数年の訪日ブームで外国人旅行者が日本のお菓子に触れる機会が増えており、「おいしい」という評価が高まっているようですが、それだけではビジネスの拡大には結びつきません。もちろん、同社もグローバル化は最優先課題の1つとして取り組んでおり、すでに本格展開の準備を進めています。
メジャーリーグの選手に「ハイチュウ」が大人気!?
なかでもアメリカは、創業者が洋菓子づくりを学んだ場所ですから、この国の人たちに自社製品を届けることには特別の意味があります。そこで1つ、興味深い話があるのですが、実はメジャーリーグの選手たちの間で森永の「ハイチュウ」が大人気となっているようなのです。そんなにアメリカ人が気に入ってくれるなら、という期待もあったのかもしれませんが、ハイチュウの製造工場をノースカロライナ州に建設する運びとなりました。また、アジア市場でも、2013年にインドネシアに合弁子会社を設立するなど本格的な事業展開に着手した段階です。
アメリカ市場もアジア市場も、ほとんどスクラッチからビジネスを立ち上げることになりますが、見方を変えればそれだけ伸び代が大きいということです。今後、海外事業比率を着実に拡大することができれば、同社の企業価値は間違いなく高まり、それに伴い株価もさらに上昇する可能性があるでしょう。
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なお、2017年2月には、森永製菓と森永乳業との経営統合に関する報道がありましたが、仮に統合が実現するのであれば、両社の高い商品企画力と技術力がシナジーを生み出すとともに、海外展開のさらなる加速が期待できるのではないでしょうか。
Highlights
(1)100年を超える歴史のなかで築き上げてきた製品品質とブランド力が魅力。
(2)キャラメル、ハイチュウ、ココア、ゼリー飲料など多様な製品で高いシェアを有する。
(3)収益性を考慮した価格戦略と海外戦略に改善の余地がある。
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