今回は、「定期借地権」のメリットについて見ていきます。※本連載では、2級建築士・宅地建物取引主任者の齊藤正志氏の著書、『不動産を「加工」する技術』(現代書林)より一部を抜粋し、不動産を有効活用し、次の世代へも継承できる財産を作る「不動産加工」について解説していきます。

土地の所有権にこだわりがちな日本人だが・・・

定期借地権を利用してアパートや自宅を建てることに抵抗がある人に話を聞いてみると、たいてい土地が自分のものでないことにこだわりを持っています。

 

日本人は土地に対する執着が強い傾向があります。

 

その背景には、農地改革により大地主から農地を譲り受けた事情などがあります。

 

その結果、異常に所有権にこだわるようになったのだと思います。どこからどこまでが、自分の土地であるという意思があるのです。

 

借地文化の強いヨーロッパでは、個々人が利用している借地上の境界意識が薄いように感じられました。土地より建物に対してのこだわりがあるのが感じられました。これと同じような感覚が定期借地ではしばしば見られます。次のようなエピソードです。

税制面も含めメリットが多い「定期借地権」

私のクライアントのAさんは、定借分譲地に自宅を新築した後、物置小屋を設置しまし
た。ところが10センチほど隣の敷地にはみだしてしまいました。恐るおそる隣家に詫びに行ったところ、

 

「借地なので問題ありませんよ」と、気軽に言われたそうです。

 

これが、隣家が所有している土地であれば、そうはいかなかったでしょう。

 

それに長年同じ土地に住んでいれば、どうしても近隣とのトラブルも起きがちですから、借地に住んでいれば、定期借地権の終了と同時に、新しい土地で出直す機会にもなります。税制面も含め、借地は想像以上にメリットが多いのです。

 

今後、借地に家を建てる人はますます増えていくでしょう。

不動産を 「加工」する技術

不動産を 「加工」する技術

齋藤 正志

現代書林

著者は積水ハウスに入社し、「自分年金」という言葉を考案しました。 そして、「自分年金」をつくる方法としてアパート経営を推奨し、40年間で570棟のアパートを販売したという実績があります。 その後に独立し、いまは不動…

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