前回は、仲介手数料、印紙税等をはじめとする新築アパートの初期費用の概要を取り上げました。今回は、「コンパクトアパート」の売買契約の流れを見ていきます。

申し込みの手順では「買付証明書」が必要となる

「コンパクトアパート」の売買契約にあたっては、次のような手順を踏んで行います。

 

民法では、売買契約は売主と買主の意思(売主は「この物件を売ります」、買主は「この物件を買います」という意思)が合致すれば成立しますが、不動産は高額な取引なので、細かい手順があるのです。

 

〈申し込み〉

売主に対して、価格や引き渡し時期などについて「こういう条件なら買います」という書類(「買付証明書」などと呼びます)を出します。売主との交渉は基本的に、この書類を出した順番に行うのが一般的です。

 

交渉がまとまったとしてもこの段階ではまだ契約は成立していません。ですから、買付証明を撤回するのは問題ありませんが、あまり何度も行うのはマナー違反です。

契約手続きの前に行われる「重要事項説明」

〈重要事項説明〉

売主と買主の間で話がまとまれば、次に重要事項説明という手続きがあります。

 

これは、売買する不動産について、一定の重要なポイントについて書面で契約を結ぶ前に、買主に対して不動産会社の担当者(宅地建物取引士という国家資格を持った者)が書類を渡して説明するものです。

 

重要事項説明は通常、契約手続きと同じ日に、契約手続きの前に1時間ほどかけて行われます。場所は不動産会社のオフィスなどです。

 

かなり専門的なので事前にコピーをもらい、目を通しておくとよいでしょう。分からない点は重要事項説明の際に遠慮なく聞きましょう。

 

[図表]重要事項説明の主な項目とポイント

 

〈売買契約〉

重要事項説明の後は、いよいよ書面による売買契約の締結です。

 

契約書には物件の価格、代金の支払い条件、引き渡し時期など取引にあたっての合意事項が記載されており、仲介する不動産会社が用意した契約書(2通)を読み合わせ、売主、買主がそれぞれ署名・捺印します。

「コンパクトアパート」ではじめる超ローリスク不動産投資

「コンパクトアパート」ではじめる超ローリスク不動産投資

山上 晶則

幻冬舎メディアコンサルティング

2016年3月に不動産調査会社「タス」が行った調査によると、首都圏賃貸アパートが「空室率30%超」となっています。今後もさらに日本の人口減少は続き、その一方で貸家着工数は増え続けているため、多くの不動産オーナーが空室…

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