土地・建物に毎年課される「固定資産税・都市計画税」
先ほどは購入時にかかる諸費用を説明しましたが、購入後にも賃貸住宅経営を行っていく上で、いろいろ費用の支払いが必要になります。
こうした購入後に発生する経費は一般に新築時が最も安く、年数が経つにつれて増加していくので、あらかじめ収入の一部を積み立てるなどして準備しておくことが重要です。
〈固定資産税・都市計画税〉
まず、土地、建物には毎年、固定資産税と都市計画税がかかります。税額は、土地、建物それぞれについて市町村が定めた評価額に税率を掛けて計算します。
ただし、土地のうち住宅用地、また新築住宅の建物については、税額が安くなる特例が設けられています。
固定資産税と都市計画税は、不動産経営における経費として認められています。
[図表]固定資産税・都市計画税の税率
〈管理業務委託費〉
毎月かかる日常的な経費としては、管理会社に支払う管理業務委託費があります。空室が出たときの入居者募集の手配や退去時の立ち会い、内装工事の手配、入居者のクレーム対応などを代わりに行ってもらうための費用です。一般的に月額賃料の5%程度が多いようです。
不定期に発生する「リフォーム費用」や「設備修繕費」
〈振込手数料〉
次に、家賃の振込手数料があります。
管理会社が入居者から毎月の家賃を回収し、そこから管理業務委託費を差し引いて、オーナーの口座に振り込むのですが、その際、1回の手数料が500円なら1年で6000円、10年では6万円になります。
〈リフォーム費用〉
不定期に発生する経費もあります。
ひとつは、入居者が退去するときの内装のリフォーム費用です。工事の範囲や面積にもよりますが、1室あたり1回、5万円から15万円程度は見込んでおいたほうがいいでしょう。
以前は入居者から預かった敷金からこうしたリフォーム費用を差し引くことが一般的でしたが、その後、トラブルが多発したことから国などが指導に乗り出し、現在では一般的な居住で生じた日焼けや傷はオーナー負担となっています。
〈設備修繕費・交換費〉
エアコンや給湯器などが故障した際の修繕費用も突発的に発生します。また、寿命はいずれも10〜15年ほどで、交換工事を行うとなると1台あたり8万〜10万円程度の費用がかかります。