今回は、会社ごとに区分けが異なる「変動費の性質」について見ていきます。※本連載では、楽天市場で人気の花屋「ゲキハナ」を運営する古屋悟司氏の著書、『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』(案内人・田中靖浩氏/日本実業出版社)の中から一部を抜粋し、実体験をもとに、会社の儲けるパワーを高めるための「管理会計」の活用法を解説していきます。

食材に使う材料費が「変動費」である理由

売れても売れなくてもかかる費用である固定費。売れれば売れるほどかかる費用である変動費。でも、それらを分けることに、いったいなんのメリットがあるのかは、よくわかりません。

 

税理士さんは、きっと話すのが好きな人なんでしょう。僕の理解度に関係なく、一方的に話を進めていきます。

 

税理士「わかってきたところで、もっと理解していただけるよう、通販だけでなく、ほかの業種でも考えてみましょうか。たとえば、イタリアンレストランがあるとしますよね。そこの家賃は?」

 

「固定費ですか?」

 

税理士「そう、では、人件費は?」

 

「売れても売れなくてもかかりますので固定費です」

 

税理士「では、売れれば売れるほどかかる費用である変動費は、たとえば食材に使う材料費がそれにあたります。料理を注文されるたびに食材を使用しますので、材料費が変動費になります」

 

「ふーん・・・」

 

税理士「さらに別の業種でも。う~ん、コンビニだとどうでしょう。コンビニでおでんを買ったときを思い出してください。おでんを買うと器に入れてくれますよね。さらにその器を袋に入れて、割り箸もつけてくれます。あとは辛子。これらは、固定費か変動費のどちらでしょうか?」

 

そう、おでんには辛子は必須だよなぁ。

会社の変動費は「ストーカー費用」⁉

税理士「あのう、私の質問、聞いてますか?」

 

「あっ、えーと・・・。変動費ですか?」

 

税理士「そう。これらも変動費です。もちろん、おでんの具材の原価も変動費に入ります。おでんを温め続けている電気代は固定費です。売れなくても電気代はかかっていますからね。こんな感じで、会社ごとに区分けが異なってくるのが変動費です

 

「固定費の『ニートな費用』みたいに、変動費も何かわかりやすいたとえはないんですか?」

 

税理士「イメージでいえば、変動費は『ストーカー費用』です」

 

「あっ、つきまとうってことですか?」

 

税理士「そうです。売れば売るほどつきまとってくる。ストーカーのような費用が変動費です」

 

「ふーん。そうやって費用の性質で分類しているんですね」

 

税理士「そうです。たとえばコンサルタントや税理士は、お客さんが増えれば増えるほど外出することが多いです。クライアントのもとへ出かけることになるので、旅費交通費が変動費になったりするんですよ」

 

「仕事によってかなり変わるんですね」

 

税理士「はい、それが変動費の性質なんです」

 

僕は費用の名前はおぼろげに知っているくらいなので、どんな内容かも初めて知りました。

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

古屋 悟司 田中 靖浩(案内人)

日本実業出版社

ずっと赤字体質だったのが、スゴ腕の税理士に教わったとたん、V字回復して黒字が続いているという、著者の実体験をもとにした超実践的な会計の入門書。 ●「お金はあとからついてくる」はウソ ●固定費はニートな費用、変…

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