「IRフェア」に行けばトクをする!?
日経新聞を見ていると、同社や証券会社が主催するIR(投資家向け広報)イベントの広告を見かけることがあります。これは、参加会社が自社の株をもっと投資家に買ってもらおうとアピールする場です。会場では、株式評論家やアナリストの講演会が行われたり、企業トップが登場してコメントを発表したり、各企業のブースでパンフレットや自社製品を配布したりと、さまざまな催しが行われています。
IRイベントは、ネット万能といわれる現代だからこそ、「生の情報」に触れられる絶好の機会。有効に活用したいものです。
まず、イベント参加会社の顔ぶれを見ればいろいろなことがわかります。
第一に、コストをかけて参加しているからには、参加会社は、経営状態に非常に余裕があるということ。
第二にはトップがわざわざ出てくる場合には、投資家によい話がしたいという思惑があるわけです。
第三に、参加企業は自社の株価を上げたくて参加しているわけですから、「自社の株価は正当に評価されていない」と感じています。つまり、現在の価格は割安だと思っているということ。しかも、会社のことを知ってもらえば株価が上がるという自信があるわけです。
参加者だけが得られるメリットとは?
とはいえ、参加企業は広告を見ればある程度はわかるもの。わざわざ会場まで足を運ばなくても、銘柄選びはできそうです。では、なぜ、会場まで行く必要があるのでしょうか?
それは、「会社の顔がわかる」からです。特に、機械部品などの製造を行う会社は、対企業向けの商品ばかりなので、一般消費者は社名を聞いても、何を作っている会社だかわからないことも多いはずです。そこで、こうした企業は、会場で一般消費者との接点を盛んにアピールします。
ブース展示では、IR担当者と気軽に直接話ができるのも魅力です。会社の経営方針について聞けば、わかりやすく答えてくれるはず。それが彼らの仕事なのですから。また、実際に社員の顔を見て話をし、対応をチェックすることで、会社の雰囲気も伝わってくるはずです。場合によっては、自社製品をくれることもあります。
さらに、講演会などで会社のトップが登場するときは、滅多に見ることができない上場企業のトップに、直接質問をぶつける好機です。新規事業のこと、業界の現在についてなど、自分の気になることを積極的に聞いてみましょう。たとえ自分が質問できなかったとしても、質疑への応答の仕方には、テレビ番組では編集されてしまって見ることができない、社長のナマの顔が現れるはずです。