『会社四季報』刊行前に、その事前情報が出る!?
実際に四季報の情報を使って儲けるためには、四季報の発売日前にコトを起こすことが必要です。
四季報が発売されたらその内容で値が動くことが多いからです。つまり、四季報の内容を先取りできれば優位に立てるというわけです。
四季報の本文にあたる部分は、発売前に少しずつ書かれ、印刷の準備にまわされます。
そこで、ある程度本文が書かれた段階で、業績予想やコメントなどを抽出した情報が出ることがあるのです。この内容が前号と比べて大きく変わっているようなら、注目です。前号で減益予想だったものが増益予想に変わっていたり、業績予想が大幅にアップしたりという銘柄は、四季報発売後に、大きく値上がりする可能性大です。
また、時価総額の大きな銘柄は何か変化があると、常に動向をチェックしている証券会社のアナリストからアナリストレポートが出るため、速報が出る前から株価が動き始めている可能性があります。四季報が出る前のタイミングにじりじりと上がり始めているようなら、四季報発売後にグンと上がる期待性も大です。
こうした事前情報を得るには、四季報の出版元である東洋経済新報社が刊行している『会社四季報別冊』に注目してみましょう。
四季報の記者も執筆陣に加わっているこの雑誌。四季報が発売される直前には、「四季報先回り特集号」となります。四季報の予告編的な存在を見れば、四季報のポイントがわかるのです。
実は、四季報は、企業データが詳細に載っている「データ編」と、そのシーズンごとの動きを紹介する「季刊誌編」の要素を兼ねています。季刊誌編的要素の部分には、「営業増益率ランキング」や「配当利回りランキング」など、その号の売りになるランキングが掲載されていますが、「四季報先回り特集号」で予告されるのも、このランキングの一部分なのです。
「四季報先回り特集号」を読めば、四季報発売後の注目銘柄を先回りして知ることができるのです。
ということは、「四季報先回り特集号」と四季報をセットで読み、先回りして値上がりするとおぼしき銘柄を買っておくのが、一番予想しやすくて簡単な方法だといえそうです。
四季報の「地味な情報」も活用範囲は広い
もう一つ、私が好んでチェックするのが、四季報の付録的なリストです。このリスト、読んでいるだけでも非常にオモシロいんです。
例えば〈社名変更会社〉は、「あの会社は今」的に見るのも興味深いですし、実際に活用する機会も多いものです。また、〈株主優待〉のリストも、私自身は自社サイトの検索機能を使って調べることが多いのですが、暇なときに一覧を
「ああ、こんな会社は、こういう優待をやっているんだなぁ」
などと、ボーッと眺めているのも、けっこう楽しいものです。
さらに、四季報には、「投資カレンダー」という記事もあります。ここには、その号の発売日から翌号の発売日までの予定と、注目テーマが記されています。
この予定表だけでも、四季報を買う価値はあると思います。3ヵ月間の作戦を練るのに活用するのもよいでしょう。