不採算部門への対応などをチェックしてみる
上場企業の社長の顔を見に行くだけでも面白い、IRイベント。参加企業は業績に自信のある優良企業ばかりですから、参加企業から銘柄を絞り込むのはけっこう大変かもしれません。
そこで、会社の方向性をよくわかっているのは、なんといっても社長。興味がわいた会社のトップの話は、ぜひチェックしておきたいものです。そして、自分の感性をリトマス試験紙に使うのです。つまり、商品を見ても、会社案内を見てもわからないことは、社長の話に納得できるかで決めればいいのです。
社長の話を聞いてみて、例えば不採算部門への対応などについて、
「そら、そうやなぁ」
と納得できれば買い。
「そらあかん、それはないでぇ」
と疑問を感じたら、様子を見ましょう。
ファッションに興味がある人なら、登場した社長のファッションチェックをするのも面白いかもしれません。人となりは、身につける物にも表れるもの。社長がどんな腕時計をしているのか、どんな靴をはいているのか、などを参考にするのもよさそうです。
特に長期投資を行う場合は、会社の成長性を見極めることが重要になります。こうした機会に社長や社員の様子を見て、フレッシュさや元気さなどから成長性を測ることは、非常に有効だと思います。
個人投資家説明会への参加もおすすめ
興味を持った会社があったら、次は会社単位で企画している、個人投資家説明会に参加してみることをおすすめします。これは、証券会社が企画する場合も、会社が独自に行う場合も両方あります。が、いずれにせよ会社の工場を見学したり、商品の体験会に参加したりできる、絶好の機会です。
私自身も、数社の会社見学を行う、女性向けの説明会ツアー「株女バスツアー」を企画したことがあります。試食あり、英会話体験レッスンありで、参加者にはとても満足してもらえました。
実際に会社まで足を運べないときは、オンラインでの会社説明会も役立ちます。リアルタイムでの開催もありますし、録画でいつでも見られるオンデマンド配信もあります。これだと好きな時間に、チェックできるのでオススメです。
IRページは頻繁にチェック、電話をかけるという手も
銘柄を絞り込む際には、その企業ホームページのIRページもチェックしておきたいものです。特にIRイベントに参加するほど、個人投資家を大切にしている(=意識している)会社なら、IRページも相当充実したものになっているはず、と期待できます。
期待に反して、非常にわかりにくかったり、古くさかったりと、
「なんやコレ?」
と思わずいってしまうようなページなら、期待外れな銘柄なのかもしれません。
IRページでは、そうしたユーザーインターフェースに加えて、会社のミッション(使命)がわかりやすく表示されているかにも注目しましょう。四半期ごとの業績や売り上げの推移も大事ですが、株価は会社の将来に対しての期待を示すものでもあります。将来の目標に期待できるかどうかは、株価にも直結してくるのです。
その会社のことをさらに詳しく知りたい場合は、もっと細かい情報から、社内事情を想定することもできます。例えば、ニュースのアップ時間を気にしてみましょう。深夜などの変な時間帯にアップされたニュースには、何か裏がありそうです。ブラック企業なのかもしれませんし、そのニュースを巡っての、何らかの事情があるのかもしれません。
また、役員の顔ぶれはどうでしょうか。重要なポストが頻繁に入れ替わっているようであれば、経営方針などに問題があるのかもしれませんし、社長が超ワンマンという可能性もありそうです。
最後にもう一つ、
「IR 担当者に電話をかけて聞いてみる」
という裏技をご紹介しましょう。非常に単純な方法ですが、案外実践する人が少ないのです。IR ページを見て疑問に感じたことなどについて聞いてみるとよいでしょう。代表電話番号に連絡してIR担当部署をお願いし、担当者には、
「御社の株を買おうと検討している」
といえばOKです。見込み通りの成長性が期待できるようなきちんとした会社であれば、どんなにささいなことでも回答してくれることでしょう。