連想ゲームの格好のネタとなるプレスリリース
新商品の発売や他社との業務提携・技術提携など、プレスリリースの内容は、新聞でも報じられます。しかし、一歩踏み込んだ情報を得て、当事者である会社の次に値上がりする銘柄を知るには、企業サイトにアップされているプレスリリースなどを読み込むことも重要なのです。
ニュースなどの情報は、「連想ゲーム」的な発想で活用します。なかでも一番わかりやすい連想ゲームの方法は、一般に広く知れ渡ったニュースから、「次にどの銘柄に人々は注目するだろう?」と、想像力を働かせて、先回りして待ち受け、売買のタイミングを図る方法です。
しかし、いくら自分なりの想像を働かせるとはいえ、たくさんの人の思惑から遠く離れてしまっては、株価の値動きとはズレてしまいます。
そこで、「プレスリリース」が、連想のネタとして重要になってくるのです。
特に株価に影響が出やすいニュースとは、不祥事を除くと、「業務提携」「新商品の発売」などです。これらは、株式市場に影響が大きいニュースになればなるほど、日経新聞で微に入り細に入り、報道されます。特に、ニュース価値が高いのは、「世界初」「国内初」「業界初」などの初物や、意外な組み合わせです。
超訳「ウチの製品なら大丈夫やったのになぁ」
例えば、セキュリティソフトの【3692】FFRIは、日本年金機構で年金番号を含む個人情報漏えいが大問題となっていた2015年6月11日に、プレスリリースを出しました。この効果で、同日終値5350円から、7月23日の高値18500円まで、約3倍超の急騰となったのです。
このように、その時に大きな話題となっている相場テーマに対して出されるプレスリリースは、株価に大きな影響を与えることが多いので、要チェックです。
では、気になるプレスリリースの内容とは?
日本年金機構で個人情報漏えいの原因となったとされるマルウェア「Emdivi」を、同社の製品「FFR yarai」であれば、検知し漏えいを防御できたとのこと。
超訳「日本年金機構が使っていたセキュリティソフトでは検知・防御できへんかったけ
ど、ウチの製品なら大丈夫やったのになぁ」
という内容ですが、実際に日本年金機構から依頼されたわけではありません。
この時は個人情報の漏えい対策が非常に大きな問題となっていたので、依頼実績がなくとも、株式市場では大きく反応したのでしょう。同社にとっては、株式市場で大きく反応すれば、自社製品の大きな宣伝にもつながるので、ダブルで美味しいプレスリリースになりました。
また、アップルのiPhone やiPad が日本市場にも大きな影響力を持っているように、日本では上場していない海外企業のプレスリリースが、海外メーカーがらみの銘柄探しでは大いに役立ちます。