会社が求めるのは、即戦力になる意欲的な人材
前回の続きです。会社としては、経験や知識が豊富で即戦力になる、意欲的な人材を求めます。私の会社は、それが理由でシニア人材を多く採用しているのです。
働く人の側も「今までは」「前の会社では」と過去のことを引きずるより、潔く新しい場所を求めて心機一転で始めるほうが出会いや経験のチャンスが増えます。今まで以上に世界が広がって、いきいきと毎日を過ごせるようになるでしょう。
そのためには、変化に対応するエネルギーが必要です。同じことを繰り返すだけならエネルギーはあまり必要ではありませんが、常に変化する環境では負荷が大きくなります。
環境の変化は「人生の充実」につながる
しかし、安定だけを求めて退屈な人生を送るのはもったいないという気がします。
端から見ていると「新しい場所へ移れば、もっと高く評価されて、満足感も得られるのに」と思う人が実際には大勢います。おそらく、「自分はこの仕事しかできない」という思い込みや先入観が、変化を阻んでいるのではないかと思います。
毎日、会社の行きも帰りも同じ道を通る人は多いでしょう。私は現役のとき(この言葉をあまり使いたくありませんが)から、たった7分間の駅までの道でも「今日は、この道を通ってみよう」とルートを変え、新しいお店を発見したり、景色のいい場所を見つけたりして小さな発見や喜びを得ていました。
私は刺激や変化が好きなので、新しいこと、新しい人は大歓迎です。
自分の人生をどこまで楽しく充実させることができるのかは、自分次第です。60歳を過ぎてから新しいことにチャレンジするのは、相当勇気もいりますし、体力や気力も必要になります。それでも、新しい仕事をできるようになったときには、若いときに仕事を習得したとき以上の喜びが得られると思います。
世間から前期・後期高齢者と呼ばれようがシルバー人材と呼ばれようが、世間が勝手につけたレッテルですから、気にする必要はありません。
人生の残りの時間と預金通帳の残高が釣り合うように睨んでいても、予定通りにはいかないことのほうが多いはずです。それなら、常に新しい刺激を求めて人生を楽しんでこそ、豊かな後半生が送れるのではないでしょうか。
年齢とともに心身のエネルギーが減ってしまうのは否定できませんが、日々のトレーニングによって補うことができることも間違いありません。
気力も筋肉と同じように鍛えれば強くなります。変化に対応するトレーニングを続けていれば、歳をとっても新しい環境に対応することは十分可能ですから、決して諦めないでほしいと思います。