シニア人材に若さと健康を与える!? 仕事という「人生の目的」

前回は、シニア人材の起業が「社会貢献」につながる理由を説明しました。今回は、シニア人材に若さと健康を与えることにもつながる、「働くこと」の重要性を見ていきます。

シニア世代にとって背広とネクタイは「戦闘服」

私は、あるとき妻から「朝、ネクタイを締めて背広を着ると、だんだん顔が変わってくるわね」と言われたことがあります。

 

私は、家では仕事の話はほとんどしません。夜帰宅したときはくつろいでいるのですが、朝になってネクタイを締めて、背広を着るとだんだん戦闘モードに切り替わるようです。それで顔つきも変わってくるのでしょう。ずっと鏡を見ているわけではないので、自分では分かりませんでしたが、妻に言われて「なるほど、そうだな」と気がつきました。

 

そういえば、若いときに両親のところを訪ねた帰り道、夜中の1時、2時に車を運転しなくてはいけないときは、日曜日でも必ずネクタイを締めて運転をしていました。そうすれば気が引き締まって居眠りをしないからです。ラフなTシャツを着て運転していたら、おそらく居眠りをしてしまいます。それくらいネクタイには効果があると分かっていたので、私は自然にネクタイを締めて運転するようになっていたのです。

 

東京都知事の小池百合子さんは、選挙の時に着ていた緑色のスーツを「私の戦闘服です」とおっしゃっていました。それぞれの職業によって、医者や板前なら白衣、職人は作業着など気持ちが引き締まる戦闘服があると思いますが、日本のサラリーマンの戦闘服は背広にネクタイでしょう。

 

特にシニア世代にとってはそうです。今どきはジーンズにTシャツで出勤してもOKという会社もありますが、私の場合、それではやはり気持ちが引き締まらないと思います。背広にネクタイを締めればスイッチが入って戦闘モードになれるから、不思議なものです。

 

服装はファッションと言ってしまえばそれまでですが、その人の内面を表現するという一面も持っています。人の第一印象を決めるのは、見た目が9割といわれますから、その点でも服装は大事です。

 

少々時代遅れと言われるかもしれませんが、私はネクタイを締めて背広を着て会社へ行くことで、元気に仕事を続けられるのだと思っています。

 

だから、将来、90歳になったときも背広にネクタイを身につけている自分を想像しています。一日中部屋着で盆栽をいじっている姿は、今のところまったく想像できません。いつまでも若々しく生きたいシニアの方は、ぜひ背広とネクタイを身に着けてみてください。

 

仕事することで「健康になれる」という側面も

そして、歳をとっても元気で仕事を続けるためには、健康でいることが大切であるのは当然ですが、私の場合、健康維持のために無理な努力をしないというのがモットーです。

 

シニアが健康な身体を維持するためには、「週に2回くらいは運動しなければいけない」「毎日、30分のウォーキングをしたほうがいい」などとよくいわれますが、私の経験から言うと、疲れているときは無理に運動しないで休んだほうがいいと思います。

 

私自身は、それで病気をすることもなく、健康な身体を維持できています。一日中家でじっと座っている人でなければ、私たちは日常生活のなかで、かなりの量の運動をするのと同じくらい身体を動かしているものです。

 

例えば、電車で通勤するだけで相当な運動量となります。駅では階段の昇り降りもありますし、揺れる電車の中で立っているときは、足だけではなく全身の筋肉を使っています。スポーツとは違うかもしれませんが、全身の筋肉を使うということでは十分なのではないかと思います。

 

もちろん、健康のために仕事をしているわけではありません。健康だから働いているのですが、仕事をしていると健康になれるという側面もあるのです。

 

時間に余裕があって、楽しくできる運動ならいいと思いますが、健康維持のための日課だからといって、寒い朝にジョギングやウォーキングをするのは、かえって身体に悪いのではないかと思います。一生懸命、歯をくいしばって運動しても、健康を害するだけで長生きできなくなるのではないでしょうか。

 

お医者さんの意見とは違うかもしれませんが、しっかり仕事をして、しっかり休んでいるほうが、よほど健康で長生きできるのではないかというのが私の実感です。

 

本連載は、2017年5月29日刊行の書籍『シニア人材という希望』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載シニア人材が「生涯現役」で活躍するために必要なこと

基金運営研究所株式会社 代表
一般社団法人年金基金運営相談センター 理事長
株式会社CN総合コンサルティング 代表
 

1973年に慶應義塾大学を卒業後、都市銀行に入行。不動産や企業年金等幅広い業務に従事し、業績向上に貢献する。54歳で関連会社に転籍、定年退職まで勤め上げる。2008年、61歳で起業。基金運営研究所株式会社を設立する。2012年には一般社団法人年金基金運営相談センター理事長に就任。企業年金のコンサルティングを行うかたわら、不動産や保険代理、投資家に対する運用商品の紹介、相続対策、M&A等へと事業を拡大し、2013年に株式会社CN総合コンサルティングを設立。各分野の専門知識をもった22名の定年後シニア人材を雇用、戦力化し、黒字経営を続けている。義理人形を重視した誠実な仕事が支持されており、数十年来の取引先も多い。モットーは「生涯現役」。

著者紹介

シニア人材という希望

シニア人材という希望

中原 千明

幻冬舎メディアコンサルティング

超高齢社会の到来とともに、日本人の働き方は大きく変わる――。 都市銀行でマネジメント職を歴任。 定年後に起業し、多数のシニア人材を雇用する経営者が語る“新しい労働の在り方"とは? 2013年4月1日、高年齢者雇用安定法が…

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